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とりあえず、栗山君がモブじゃないことは分かった。と、ここまで考えて泉ははっとする。
(まず、誰が主人公だ……?)
そこなのである。主人公が目立っているキャラであれば栗山君はモブではないと言える。だがしかし私みたいに個性が立っていないキャラがキャラクターだった場合……、思考が広がり続ける。
もしかしたら栗山はモブなのでは……?そんなことを泉は考えだし、その時、後ろから肩を叩かれた。
「やあ泉さん!お1人かい?」
「……アンタ、家、こっちの方向だっけ?」
栗山である。
泉は信じられないという顔をしているがその金髪の髪と綺麗な顔は栗山である。
そしてまた猫被ってんのかよ、泉は呆れた。何故そんなにも猫を被る必要とがあるのか。
「いや、こっちの方ではないよ!寧ろ反対だ!さっきは予鈴がなってしまって泉さんと写真を撮れなかったからね!地味な泉さんが折角輝ける機会だったのにさぞかし落ち込んでいるだろうと思ってわざわざこの僕が来てやったのさ!」
猫を被るのにここまでする必要があるのか、それが泉の正直な心情だ。
まぁさっき見せた裏側の面についてもなんかあるんだろうな、と泉は思い込むことにした。
(これで何にも裏側のことについて触れてくれなかったら殴りたくなるわ……)
そんな物騒なことを考えている泉とは裏腹に栗山はニコニコと満面の笑みを浮かべている。
「泉さん、外は雨が降っていて写真が撮りずらいんだ、スマートフォンも濡れてしまうからね!失礼だが君の家にいかせてもらっても良いかい?なに、玄関で撮らせてもらうだけだ、流石に家の中まで入ったりしない」
(なるほど、家の中で話そうって魂胆ね)
一瞬断ろうとした泉だが栗山の目が笑っていないことに気付いて慌てて頷いた。
「で、用件は?」
「あぁ、申し訳ないんだがどうやらここは逆光のようだね、場所を変えても良いかい?」
「まぁ、いいけど……」
家にあがった栗山は周りを見回すなりそう言った。
泉が許可を出すと道案内をしてもらいながらリビングまで行き、窓のカーテンを閉める。これで良し、とでも言いたそうな栗山の表情に泉は疑問を覚えることしかできなかった。
「…………で、まず何から話してほしい?」
「あ、それ私が決めても良いの?」
どうやら素に戻ったらしい栗山は泉に質問を投げ掛けた。"あぁ、僕に答えられることならね!"とキメ顔でウインクをするも泉には華麗にスルーされる。
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あき(プロフ) - こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母さん» ああああああああああありがとう!めちゃくちゃ励みになります!頑張りますね! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - 流石です……人の発想の斜め前を行くアイデアです。そして栗山くんが嫌いになれないです……話の内容もとてもしっかりしていて、読みごたえがあります。無理しない程度に更新頑張って下さい。応援してます。 (2020年8月13日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - Candy4@低浮上、なのか?さん» そう言ってくださりとても嬉しいです、ありがとうございます!はい、なるべく早く更新できるように致しますのでしばしお待ちを……。 (2020年8月7日 17時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
Candy4@低浮上、なのか?(プロフ) - え、面白い!!今までに見かけた事のない発想で、僕はとても好きです!!更新頑張ってね。応援してるので!! (2020年8月7日 16時) (レス) id: 6b72a2ad5a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ねこまんまさん» そう言ってくださりとても嬉しいです、ありがとうございます!これからも新キャラどんどん出てこさせるつもりです。なるべく早く更新しようと思いますので、よろしくお願いします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
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