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※日本人で地毛が金髪等の少し差別的な容姿についての描写があります。
苦手な方はご注意ください。
「あのー、栗山君?」
「ああ、泉さん。どうかしたかい?」
昼休み、教室。
先程まで騒がしかったが、ある少女が1人の少年に話しかけたことでシン、と静まり返った。
目立っているのは言わずもがなその少女と少年である。
何が始まるのかと緊迫した雰囲気がいつの間にか出来ていたギャラリーに広がる。
まぁ、勿論普通に話しかけただけなら誰も気には止めない。
問題なのは少女が話しかけた少年である。
その少年は日本人には珍しい茶色が混じったような金髪なのだ。
それ故か周りから少し距離を置かれているような、と。
(あぁー、やっちまったぁ!)
話しかけた少女、泉Aは頭を抱えたい衝動にかかれていた。
なんでなんでなんで話しかけちゃったんだよ、くっそ観察するだけでいいのに間違えたぁ、やはり一番最初を栗山君にしたことが間違いだったか、もー最悪これじゃ目立ちまくりじゃねぇかどうしてくれんだよ5秒前の私ぃ!
そんなことを考えているが時間は戻らないのだ。
話しかけれた少年____栗山、という男はまごうことなきナルシストである。
寧ろナルシスト以外に表現しようがないのだ。
容姿のせいもあるかもしれないが結構な頻度で避けられており、いつも孤立している。
だがしかし顔に浮かんでいる笑みは絶やさず、無自覚で毒を吐くという行動を取るため、全くダメージは受けていないようだ。
騒がしかったのが収まったのも、泉が栗山に話しかけたからであり、どうなることかとハラハラとした視線が送られている。
目立ってしまっていることに気を取られ、何も言い出せない泉を疑問に思ったのか栗山が首をかしげる。
それすら様になってしまうのだからナルシストではあるものの彼の顔は整っていると言っていいだろう。
何か言わなければ、何を言えばいいんだよ、こんな学校一のナルシストと、話なんて合うわけがない。
だがしかし何かしなければ始まらない。
「き、今日は、いい、天気だね!」
我ながらとんだ大根芝居だ、このときの泉には黒歴史になる予感がした。ちなみに今日の天気は雨である。
「雨なんかよりも、この僕の方が美しいだろうに、それに比べて今日も泉さんは地味だね!」
終始満面の笑みでそう言われて、泉はなんと反応すればいいのか分からなかった。
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あき(プロフ) - こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母さん» ああああああああああありがとう!めちゃくちゃ励みになります!頑張りますね! (2020年8月14日 16時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - 流石です……人の発想の斜め前を行くアイデアです。そして栗山くんが嫌いになれないです……話の内容もとてもしっかりしていて、読みごたえがあります。無理しない程度に更新頑張って下さい。応援してます。 (2020年8月13日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - Candy4@低浮上、なのか?さん» そう言ってくださりとても嬉しいです、ありがとうございます!はい、なるべく早く更新できるように致しますのでしばしお待ちを……。 (2020年8月7日 17時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
Candy4@低浮上、なのか?(プロフ) - え、面白い!!今までに見かけた事のない発想で、僕はとても好きです!!更新頑張ってね。応援してるので!! (2020年8月7日 16時) (レス) id: 6b72a2ad5a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ねこまんまさん» そう言ってくださりとても嬉しいです、ありがとうございます!これからも新キャラどんどん出てこさせるつもりです。なるべく早く更新しようと思いますので、よろしくお願いします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
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