悪い噂 (ページ8)

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なんだかんだ3人で仲良く話しながら歩くと気づけば私のマンションの前

『あ、私ここだから』

そう言うと北斗が「は？」って

その言葉に首を傾げると笑い出す樹くん

『え、なになに』

「はぁ、ここ俺も同じ」

『は？』

北斗と同じマンション？

最悪、と呟く北斗だけどそれは私も同じ気持ち

「部屋どこ？」

『305』

「あ、俺208だから別に会わなさそうで良かった」

そりゃこっちも良かったよ
北斗みたいなやつと隣の部屋とかだったら絶対嫌だもん

「いーなー、俺もAちゃんいるならここに越してこようかな(笑)」

なんて本気なんだか冗談なんだか分からない言葉に顔を赤くすると

「ここ割と音聞こえるから女連れ込むお前には向いてない」

ってデリカシーの欠片もない言葉

「ハハッ！お前まじでひでーな」

「樹とは違う酷さかもね」

「ま、たしかに俺は防音じゃないと苦情入るかもな」

その会話に入ることは出来ずに黙っていると、それに気づいた樹くんが「冗談だよ？」って覗き込むから心臓が止まりそうになる

そして、この会話が冗談じゃないことなんて散々北斗に注意を受けた私なら簡単に分かってしまった

分かってしまったから、苦しかった

‘‘ 樹はやめときな ’’

北斗の言葉が酷く頭にへばりついて離れなかった