悪い噂 (ページ38)

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「なーんか気に食わないわ～」

って面白くなさそうに北斗の後ろ姿を見つめている
樹くんは普段のヘラヘラしてる姿からは想像できない
表情で少し、怖い

私の表情も強ばっていたのか、ふと私を見て表情を
緩めてから「ごめん、怖かったね」って頭を撫でら
れるから、ほっとする

『北斗、どうしたんだろうね』

「Aちゃんは知らなくていいよ」

『樹くんは分かってるの？』

「まあ、ね？」

悪戯っぽく片口角をあげて笑う樹くんは悔しいくらい
様になっていて、悪い人、みたい。

ずるいけど、そんなずるい樹くんが好きだからどんなことをされても嫌いになれないからタチが悪い。

少し不貞腐れていると

「Aちゃん」

って呼ばれるから顔を上げると目の前に樹くんの顔があって後退りしようとすると、そんなことさせないというように後頭部を支えられてグイッと距離が縮まる

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「さっきも注意したのにそんなに俺を嫉妬させて
ちゅーされたいなんて、Aちゃんもずるいね」

そう言って、本日2度目の唇が触れた