悪い噂 (ページ26)

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それから、普通にご飯を食べて適当にネトフリで映画を見た
さっきの樹くんの電話は無かったのかな？なんて都合よく考えていると「そろそろ帰んね」って

あぁ、夢じゃなかったか

って思うし、行って欲しくないけどそんなことを言う義理は私にはなくて

『分かった、樹くんまたね』

しか言えない

「んは、寂し？」

『...分かってるくせに』

「ほんとかあいすぎて帰りたくないわ」

って頬を包むから

それなら帰らないで、行かないでって思うけど
そんなことを言ったら面倒臭いって思うんでしょ？

「またすぐ会おうね」

そう言ってちゅ、と唇に温もりを感じる
驚いて目を見開くと、ふっと笑って頭を撫でる

その温もりが段々となくなるから寂しくて
思わず離れてく樹くんの裾を掴む

「またね」

鬱陶しそうに私の手を退けるから

あぁ、やらかしたな
って

ガチャン、と扉が閉まって堪えていたものが
涙として流れた

『こんなはずじゃ、なかったのにな』

ただ、好きなだけなのに
なんでこんなに苦しいんだろう

そんなときに通知音が聞こえて開く

Hokuto肉じゃが作りすぎたから持ってく

って

それに返信をして顔を洗う

だって、北斗にはなにもバレたくないから