悪い噂 (ページ22)

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『ごめん、部屋散らかってるかも』

樹くんが、部屋にいる
それだけで心拍数が上がってる気がする

「え？全然綺麗じゃん。女の部屋って感じ」

かわいい、ってボソッと言うからドキってする

『えっ、とー。とりあえず適当に座っていいよ』

「ん、ありがとうね」

ソファに座りながら部屋を見回してる樹くん

あー、昨日部屋片付けとけばよかった。とか
そういえば掃除機今日かけてたからよかった。とかそんなことを考えながらお茶を持っていく

「あぁ、わざわざごめんね。ありがとう」

『んーん。てか、どうしたの？』

平常心、平常心
って自分の心に言い聞かせながら樹くんの座るソファの下に座る

だって、さすがに隣に自分から座るなんてできないよ

でも

「んは、なんでAちゃんの部屋なのに下座ってんの。一緒にソファ座ってよ」

って私の腕を掴むから、その掴まれたところにぶわあって熱が集まる

そんな私の様子を見て笑うから、きっとチョロいなって思ってるんだろうな、なんて思うけどこれは好きな人にされるとなる生理現象でしょ？

「Aちゃんって俺のこと好きでしょ？」

ニヤって笑いながら言う樹くんにただ頷くことしかできなかった

その確信的な笑みさえもかっこいいって思ってしまった私は重症なんだ