悪い噂 (ページ14)

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次の日、少し寝坊して焦りながらエレベーターに乗ると北斗も乗ってきた。

今まで会わなかったのに、なんで？

「おはよ」

『おはよ、昨日ぶり』

「昨日も思ったけど貴方お洒落だよね」

『そういう北斗の方がお洒落だよ』

1階に着くまでの間、他愛のない会話

そのまま学校まで一緒に行く流れ
北斗とは学科が違うから途中で会った友達に驚かれた

あと、北斗ってモテるんだなって

ただ隣を歩いているだけなのに羨ましいって顔で見られるし、小さい声でキャーって聞こえる

『気まず』

「それな」

『北斗のせいだよ』

「いや、なんでだよ」

『北斗がモテるからじゃん』

そう言うと、「嫉妬？」なんてニヤニヤ顔

『バカじゃん』

そう呟いたら聞こえる甘ったる声と甘ったる匂い

「お！2人とも一緒に登校？」

「おはよ、樹」

『お、はよう』

「ん、Aちゃんも北斗もおはよ」

たった少し、寝坊しただけで見える世界が変わった
そして、やっぱり樹くんは住む世界が違った

なにもかも違うのに、キラキラ光って見える樹くんのことを好きだって気持ちは変わらなかった