悪い噂 (ページ6)

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「北斗もAちゃんも歌ってないじゃん！」

そう言って私の肩に腕を回す
何度やられても絶対に慣れない行動

頬を赤く染めた私を見て呆れたように笑う北斗
キッと睨むと知らん顔をされた

「樹、なんか歌えば？」

「いやいや俺もう喉ガラガラよ(笑)」

「たしかに枯れてんな」

「そ。だから北斗にパスしにきた」

「いらねぇパスだわ」

「んなこと言わずに、ほら！」

そんなやりとりに挟まれながらも北斗を見ると
嫌そうな顔でマイクを握る

そのまま樹くんが入れた曲は恋愛ソングで、なんか北斗に似合わないなって思いながら笑うと頭を叩かれた

『痛いんだけど』

腹立つくらい上手だった北斗に歌い終わってからそう告げると今度はデコピン

『っだから、痛いって』

「貴方が馬鹿みたいな顔してるからでしょうよ」

『はぁ？』

「てか俺が歌ってるの見て笑うんじゃないの」

『だって、北斗が恋愛ソングってイメージ無いから』

「俺だって人並みに恋愛してますけど？」

『へぇ』

そう北斗に渡されたオレンジジュースを飲みながら答えると「もうちょっと興味持ちなさいよ」と笑われた