桐山家 (ページ13)

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唇を噛み締めて俯く照史。

長年相方やってきたから分かる。

照史はまっすぐ人に頼るのが苦手なんや。

「照史がどうしたいかやで？周りに迷惑かけるとかそんなん関係ないねんで。」

照「天寧とはずっと一緒におりたいよ。でも1人では不安やねん。ちゃんと育てられるか。」

きっと一人で悩んでたんやろな。

照史は静かに涙を流した。

望「照史。そんなに俺ら頼りないか？どんな事でも一緒に乗り越えてきたやん。これからも一緒に壁にぶつかりながらも乗り越えていこうよ。俺かて末っ子かもしれへんけど照史も天寧ちゃんも特別な存在なんやで？」

各々が照史への思いを口にする。

しばらくして口を開いたんは横山くんやった。

横「照史。俺との約束破るんか？どんなことあっても家族守り抜くからって俺に誓ったよな？それでも天寧ちゃんを1人にするんか？周り見て見？6人も仲間居るんやからあまえてええねん。俺らかて出来ることは全力でやる。やからやれる所までやってみようや。な？」

照「おかん。やっばり天寧は俺が育てる。天寧の母親がどんな人やったか俺がしっかり教えていく。メンバーが居ればどんなことだってのりこられる気がする。だから天寧は引き渡さへん」

母「そんなこと言うてもやね。ほんまに大丈夫なの？今までもAちゃんに任せっきりやったんやで？」

「お母さん。僕らも不安です。ちゃんと育てられるのか。でも、俺は照史の相方として人生の半分以上過ごしてきたんです。これからも死ぬまで一緒に生きていく覚悟なんです。だから照史の決めたことを精一杯サポートしたいんです。いや。サポートするのが俺の役目やと思ってるんです。Aちゃんの最後の俺への言葉は照史を頼みますやったんです。どうか俺らにWESTにチャンスをくれませんか？天寧ちゃんと過ごす時間をくれませんか？」

母「そこまで言われたらなんも言われへんやないの。わかった。天寧ちゃんのこと頼んだよ。でももしもなんかあったらすぐ連絡してきてよ。私らの孫なんやからね。Aちゃんが命懸けで遺してくれた宝物なんやからね。」

W「はい。」

母「そしたら私はもう帰るから。あとは頼んだよ。」

そう言い残してお母さんは帰っていってしまった。