第3話 ネックレスの秘密 ページ4
「それは、お前のだな?」
「う、うん。」
マンカストラップの冷たい目がネックレスを捉える。僕は身動きができずに凍りついていた。
「落ち着いて聞いてほしい。」
優しい口調、でも冷酷な目だ。
「お前の父親は、海賊だった。」
マンカストラップの突然の発言に、僕は驚きを隠せなかった。
「それは父親の形見だろう?」
僕は何度も頷く。
「そのネックレスこそ財宝の鍵なんだ。鍵と言っても、財宝のありかを示すものだ。実を言うと、財宝を隠したのはお前の父親だ。」
マンカストラップから語られる真実を飲み込むことはできなさそうだったが、彼の言っていることは嘘ではない。
「父親の名前はアロンゾ・ワンダースワンだろう?アロンゾは一ヶ月前に亡くなったそうだが、息子がいると知って慌ててこの町に来たんだ。そこで、本人の代わりに、お前に協力してほしいんだ。」
「協力、ですか?」
「そうだ。この船で生活して、財宝探しを一緒にしたいんだ。引き受けてくれるか?」
僕は一瞬、断ろうと思った。なぜなら、このクリューという猫達は、グロールタイガーの手下だと聞いたことがある。でも、断ればさっきのように誰かに狙われる危険性がある。それに、僕は冒険に興味があった。僕は決意を固めたように頷くと、マンカストラップは眉間に寄せていた皺を緩め、少しだが微笑みを浮かべる。
「ありがとう。俺の名前はマンカストラップ。マンカスでいい。」
「よ、よろしくお願いします!」
僕はクリュー達に頭を下げると、先ほどの黄色い雄猫がクスクス笑う。
「敬語は使わないでよ。堅苦しいじゃないか。僕はスキンブルシャンクス。スキンブルでいいよ。」
「僕はミストフェリーズ!ミストって呼んでね。」
ミストはウィンクをして挨拶をした。
「俺はマンゴジェリー。マンゴで構わない。」
「オレ様は正直、本名で呼ばれたいが、仲間になったからには特別にタガーと呼ぶのを許してやるよ。」
僕はしばらくおしゃべりを楽しんでいた。だが、マンカスはどこか嫌そうな顔をして僕から去っていくと、船室に向かっていく。
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作者名:nanaco | 作成日時:2015年6月19日 1時