36 (まふまふさいど) ページ36
(まふまふさいど)
そこから、どうやって帰ってきたのかあまり覚えていない。頭が鈍器で殴られたくらい、とにかく衝撃的だった。
雨に濡れた体なんかどうでもよくて、思い出すのはさっきの彼女ばかりだ。
幸いにもAちゃんはあの時、僕には気づいていないみたいだった。
あの後、彼女が僕の横を通り過ぎて、そのまま人に紛れそうになって。思わず彼女とその横の男の後を追いかけた。
彼らが着いた先が、どんな場所かなんて。
恋愛経験が少なくても、とっくに成人してる自分には簡単に理解ができた。
そして、横にいた僕よりも年上であろう見た目の男と彼女の姿がずっとずっと。頭から離れずにいる｡
張り裂けそうなくらい苦しい胸を抑える。ふらふらした状態のままベッドに体を預けて、そのままぼーっと天井を見つめた。
外から雨音が響いている。ふと目を閉じれば、現実を突きつけられるように頭が段々と冷静になっていった。
＿＿＿＿＿＿＿気付かないふりをしていただけだった。
今日みたいに雨が降っていて、帰る途中のAちゃんを追いかけて、家に入れた時があった。
そのまま、雨で濡れた彼女にシャワーを勧めて。
その時に貸した自分の服がサイズが合っていなくて、そのせいで彼女の鎖骨辺りにあった痕にも、ばっちり気付いてしまった。
それを目にして、僕は一瞬思考停止してしまった。
でもそんな僕に『どうしたの？』と首を傾げるAちゃんには、何でもないよと誤魔化したっけ。
そうだ。あの時は、自分の見間違いなんじゃないかって＿＿＿
そう無理矢理言い聞かせて、自己完結したんだった。
はっ、と荒い息が漏れる。
真っ黒な感情が噴き出して、身体中が侵食されている気分だ。この感情に、嫉妬以外の名前は付かないだろう。
ああ、気持ち悪い。
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空梅雨(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 気づいちゃいましたね笑コメントありがとうございます😊😊更新頑張ります…！！！ (2022年3月13日 9時) (
レス) id: a04b728654 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 気づかれましたね。更新頑張ってください！ (2022年3月13日 9時) (レス) @page25 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - ラムちゃさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます…！！！感謝しかないです、いつもありがとうございます🙏 (2022年2月21日 21時) (レス) id: a04b728654 (このIDを非表示/違反報告)
ラムちゃ - 更新ありがとうございます (2022年2月21日 21時) (レス) @page16 id: f594704211 (このIDを非表示/違反報告)
空梅雨(プロフ) - ラムちゃさん» コメントありがとうございます…！好きと言って頂いてとても嬉しいです‼更新頑張ります (2022年1月28日 23時) (レス) id: a04b728654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空梅雨
| 作成日時：2022年1月27日 20時
