【バンドリ】Roseliaの裏メンバーは湊友希那の××！？

第10話 壁は打ち破られるもの ページ11

次の日、スタジオ


リサ「お待たせ〜」
紗夜「揃いましたね」
あこ「りんりん、やっぱり熱下がらないみたい・・・、」
友希那「あこ、心配するのもわかるけど、それでも私たちを送り出した燐子のためにも、練習に集中しましょう」

私たちは朝から集まっていた
今日は土曜日、つまり明日は日曜、イコール本番

友希那「A、あれからどうだった？」
A「いけます。お願いします」

曲を当初の予定通りに戻すという話は昨日のうちに友希那さんがみんなに伝えてくれていた
『陽だまりロードナイト』、友希那さんと今井さんの大切な思い出の曲

チッチッチッ
あこさんがスティックを鳴らして―――


♪、♪、♪〜


イントロ、4人の演奏が完璧に重なった
キーボードの軽すぎるタッチは相変わらず気になるけど、
それよりもただ、誰かと一緒に演奏する、っていうのが最高に痺れた

すぐに問題の前奏に差し掛かる
私は指先に意識を集中した

鍵盤は叩くのではなく弾く
ステップを刻んで踊るように

A「っ！！」

ミスった！
指が追いつかず、隣の鍵に触れてしまった
つられてリズムも狂ってしまい、私は手を止めるしかなかった

A「すみません！」
リサ「ううん、大丈夫。練習を続けよう」

当たり前だけど、愛の力だけでどうにかなるほど、ピアノは甘くない
でも・・・、

友希那「落ち着いて、A。あなたならできるわ」
A「はい」

どうにかする力を私に与えてくれるのは、愛だけだ
この前奏を弾きこなして、友希那さんが安心して歌い始められるようにバトンを渡さなければ

私たちはパート練と合奏を繰り返した
スコアが印とメモで埋まっていく、少しずつミスが減っていく

そして・・・、


♪〜


A「(できた！)」

やった！弾けた！
今の聴いた？完璧・・・っ！

リサ「やるじゃん！ホントに1日で弾いちゃうなんて！」
紗夜「Aさん、あなたは"本物"みたいね」
あこ「今の動画撮っとけばよかった〜！」
友希那「信じていたわ、A」

みんなが私に声をかけてくれた
良かった、できた、私できたよ・・・！

A「でも、まだたった1回です。もっと完璧にしないと」
紗夜「いい心掛けです。早速合わせましょう」
リサ「あー、その前にちょっといいかな？」

今井さんが手を上げてみんなの注目を引いた
静かになったところでその手が壁の時計を指差す

リサ「そろそろ、お昼にしない？」
あこ「お腹すいた〜！」

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