第17話 直接干渉 ページ18
マガトの鏡を使うには、まず鏡の中に私たちを映す必要がある
私は噴水の前にマガトの鏡を立てて置いた
次に、二人が鏡に映ったまま、同じ方法で死ぬ
これは工夫が必要だ、自分の首を自分で締めたりはできないし、刃物は失敗するかもしれない
ふと、私は何かに導かれるかのように鏡の中へ手を差し入れた
ちゃぽん、と鏡が水面のように揺れる
次の瞬間、私を白い光が包み込んだ
スミレ「これは・・・、」
私は真っ黒なドレスを身に纏っていた
フリルを縁取る銀は月明かりのシンボル
そして胸元とイヤリングに飾られた半円は水面に沈む太陽のシンボル
ルナティックトワイライトドレス
またの名を、宵闇のコーデ
気がつくと私は黒いピストルを手に持っていた
握るところには見たこともない文字で何かが刻まれている
きっと前の持ち主のものなのだろう
私はピストルをしまってAちゃんを待った
A「お待たせ」
スミレ「来てくれたんだね」
Aちゃんはわくわくした様子でやってきた
A「わあ、素敵なドレス!どうしたのそれ」
スミレ「儀式に必要なの。さあ、鏡の前に立って」
Aちゃんは言われるがままに私と向かい合って立った
スミレ「この儀式は、私たちがずっと一緒にいられますように、というおまじないなの。輪廻のことわりにお願いして、離ればなれになる運命を断ち切ってくれる」
A「へえ、なんかすごそう」
スミレ「でも、一度だけではまたすぐに戻っちゃう。だから、新しいことわりが世界に受け入れられるまで・・・、月が満ちるまでの間は、儀式を繰り返し行わないといけないの」
細い細い月灯りにかすかに照らされた広場で、周りには誰もいない
正面から一歩ずつ近づいていく
鏡に私とAちゃんが映るのが見える
スミレ「ねえ、私のこと、好き?」
A「うん、大好き」
Aちゃんは答えた
だって私たちは運命のふたり
永遠の恋人同士になるのだから
スミレ「私も大好きだよ」
私は持っていたピストルをAちゃんに向けた
黒く塗られた鉄が月の光をギラギラと反射した
スミレ「一緒に幸せになろうね♡」
パン!
私は引き金を引いた
銃口から細く白い煙が上がって・・・、
Aちゃんが後ろに倒れる
冷たい噴水の水の中へ・・・、
さあ、次は私の番だ
私は自分のこめかみにピストルを押し当てて、引き金を引いた
そして・・・、
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きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» ゆゆゆさん!いつも嬉しいコメントをありがとうございます!!月の描き方はこだわりポイントなので気付いてくださって感激です(´▽`) ゆゆゆさんも熱中症に気を付けて頑張ってください☆ 読んでくださってありがとうございました!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - →気になりますがスミレちゃんが宵闇のコーデに操られているわけではなく自ら行動しているので主人公も受け入れたのかなと自分は思いました。近頃は暑い日が続きますがお身体に気をつけて頑張ってください。素敵な作品ありがとうございました。長文で申し訳ないです。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - とても面白かったです。特にエピローグでの「今夜は月が満ちているの」というスミレちゃんの言葉を読んだ時すごくドキドキしました。マガトのまじないが満月の日に完成すると本文中にあったので。エピローグでのふたりの儀式は夢なのか現実なのか→ (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - Twilight Win the Crownさん» ありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです (2016年1月25日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
Twilight Win the Crown - すっごい面白かったです!! (2016年1月25日 15時) (レス) id: e0c7f304cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作成日時:2015年12月8日 19時