第14話 鏡 ページ15
スミレ『もしもし?もう体は大丈夫?もしよかったら朝ご飯持っていこうかと思って・・・、』
A「ねえスミレちゃん、私気付いたの。この夢のループについて」
スミレ『・・・、』
A「スミレちゃんがやってるんだよね?教えて、私に何が起きてるのか」
スミレちゃんは少し間をおいてから、短く答えた
スミレ『私の部屋に来て』
☆♪★♪☆♪★♪☆
A「お邪魔します」
スミレ「入って」
部屋に入るなり、スミレちゃんがドアに鍵をかけた
外国のお香みたいな不思議な匂いがする
同室のあかりちゃんはまだ朝の収録から戻ってないみたい
スミレちゃんは制服じゃなくて、真っ黒なドレスを着ていた
美しい銀の装飾が、不吉なほどに黒いドレスラインを縁取っている
ロリゴシックに似ているけど、シンボルは十字架ではなく、半円を伏せて断面の線を横に伸ばしたみたいな見たこともないマークだ
ドレスのことも気になるけど、それより・・・、
A「部屋に呼んだってことは、やっぱり」
スミレ「そうだよ、私がAちゃんを殺したの」
スミレちゃんはあっけなく認めた
スミレ「Aちゃんは毎日が楽しい?」
A「えっ?」
スミレ「私は楽しい。でもそうでない日もある。どうしたらもっとよくなるのかな?」
何の話を・・・、
言いかけてふと思い出した
そうだ、スミレちゃんはずっとそれを知りたがってた
どうすれば幸せになれるのか
スミレ「そんな時、この鏡を手に入れたの。私たちの願いを叶えてくれる、秘密のおまじない・・・、」
スミレちゃんは自分の机に置いてあった古めかしい鏡を手に取った
30センチくらいの、折り畳み式の三面鏡だ
錆びた金色の縁に彫られた模様は、鎖が絡み合ったような、複雑なのに規則的でもある奇妙な形をしていた
A「それは何?」
スミレ「マガトの鏡・・・、本当はAちゃんも知ってるはずだよ?」
A「えっ?」
スミレちゃんは鏡を開いたまま私に差し出した
見かけはボロだけど、吸い込まれそうな鏡の面は新品のように曇りひとつない
私の困惑した顔が映っている
スミレ「さあ、思い出して?あれは一番最初の『今日』、私とAちゃんは駅前の商店街へデートに出掛けたの。そして、あのお店を見つけた・・・、」
一番最初の、『今日』?
スミレちゃんは物語を紡ぐように話し始めた・・・、
†+†+†+†+†
評価・お気に入りありがとうございます!
毎日更新を目標に頑張ります♪
全20話くらいだと思います
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きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» ゆゆゆさん!いつも嬉しいコメントをありがとうございます!!月の描き方はこだわりポイントなので気付いてくださって感激です(´▽`) ゆゆゆさんも熱中症に気を付けて頑張ってください☆ 読んでくださってありがとうございました!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - →気になりますがスミレちゃんが宵闇のコーデに操られているわけではなく自ら行動しているので主人公も受け入れたのかなと自分は思いました。近頃は暑い日が続きますがお身体に気をつけて頑張ってください。素敵な作品ありがとうございました。長文で申し訳ないです。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - とても面白かったです。特にエピローグでの「今夜は月が満ちているの」というスミレちゃんの言葉を読んだ時すごくドキドキしました。マガトのまじないが満月の日に完成すると本文中にあったので。エピローグでのふたりの儀式は夢なのか現実なのか→ (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - Twilight Win the Crownさん» ありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです (2016年1月25日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
Twilight Win the Crown - すっごい面白かったです!! (2016年1月25日 15時) (レス) id: e0c7f304cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作成日時:2015年12月8日 19時