4話。 ページ5
翌日、今日も再び9時45分頃に天宮家の前を通った。
すると、やはり例に違わず天宮くんがリュックの背負い紐を握っておろおろしていた。
私の視線に気付いたのか、天宮くんはピタッと動きを止めて、恥ずかしそうに目線を逸らす。
しかし数秒後に、中々歩き出さない私を怯えたように横目で見た。
「…」
「…」
睨めっこでもしてるのだろうか。
じぃっと自分を見つめている私にしびれを切らしたらしい天宮くんは、恐る恐ると言った風に口を開いた。
「あ、あの、な、なにか、」
へぇ、意外と声高いんだ。
初めて聞いた天宮くんの声は声変わりしていないのか少年のようなハイトーンボイスで、すごく綺麗なのに震えていて少し勿体ない。まぁ、そうさせているのは私なのだが。
「ご、よう、ですか。」
言い切った天宮くんに、私はずっと言いたかった言葉を彼に言うべきかどうか悩んだ。
5秒間の思考の末、私は今にも逃げ出してしまいそうな彼にこう言った。
「ねぇ、一緒に学校行かない?」
171人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るぅ(プロフ) - 小説見ても、最後のあとがき見ても泣きました!最高でした!これからも頑張ってください!全力で応援してます!! (2018年9月22日 22時) (レス) id: 44848c94a9 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - うはー、セイシュンすぎるー( ・ω・) (2018年7月20日 10時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - なので周りの人に悩みが伝えられて『不登校』などでも自分で考えて選択できている人は私なんかより強い人だと思います。(実はリスカとかもしてしまっていて)こんなものをネットでしか出せない、しかもまとまりの無い自分語りでした。長文すいません (2018年7月11日 2時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 私は小説とかで出てくる『何でも言える友達』という存在が羨ましいです仲のいい子はいるけどどこか信用できなくていつも八方美人してしまって学校から帰って暗くなってしまいますでも不登校になったりとか特別な教室での通学するほどの勇気すら持てません (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 今回も素敵なお話でしたなんだか温かい気持ちになりました (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ