午前9時45分、通学路の天宮くん。【天月】

13話。 ページ14

さて、一人クラスメイトが入ったこの0組のルールを説明しようと思う。



いや、ルールとは言ったが0組はとにかく「自由」だ。



さっきも言ったように、この部屋には漫画もあるし、トランプもあれば人生ゲームもある。



基本的に授業中も休み時間もこの部屋で過ごすのだが、トイレや購買に行くならもちろん授業中だ。



そして、図書室や体育館に行きたい時は伊東先生に頼めば鍵を貸してくれる。



まぁでも伊東先生はいつも昼休みに0組に訪れ、下校までずっといてくれるからその機会は少ないけれど。



そして月曜日と木曜日にはそれぞれボランティアの人が来てくれる。



今日は水曜日なので明日は木曜日のボランティアの先生、一ノ瀬さんの日だ。



木曜日の一ノ瀬さんと、月曜日は相川さんという人が来てくれるのだが、二人は勉強も教えてくれるので授業を受けていない私からすればありがたい。



さて、0組の特徴を並べてみたが、こう考えてみれば高校生らしさと言うものは全くない。



私は青春を謳歌するはずの高校生で、しかし3年生になっても通常教室に復帰する予定は皆無だ。



今はもう鮮やかに色付いた葉っぱが落ちてしまう時期。先週あった文化祭も私は参加しなかったし、梅雨の時期にあった体育祭も屋上で高みの見物を決め込んでいた。



まぁ、これが自分が選んだ道なので、文句を言える立場じゃないんだけど…



やっぱり、青春を味わいたかった気持ちは、今も消えないままだった。

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