虹色の子 (ページ22)

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✾お泊りページ22

「まったく…るな、気をつけないとダメだよ？
　るなは美人でかわいいんだから…」
「そんな事ないですよ。あの犯人さんにも、なんらかの事情が…」
「多分欲求不満とか、そういう感じですね」

欲求不満…？叶えたい夢でもあったのでしょうか？

「ちょっと心配だし、今日はるなの家に泊まろうかな…」
「なっ…！」
「あ、全然いいですよ！」
「なおきりさん、ここからは大丈夫なので、帰ってもいいですよ」
「…！」

なおきりはものすごく怒りを覚えた。

「わ、かりましたよ…」
「はい！また明日！」
「るなー行こー」
「うん！」

「おーい、なお兄ー、迎えに来た…
　いや顔怖いな」
「…幼馴染ポジは手強い」
「いや、何言ってるの？」
「なんでもない…」

(思い至ったがするが吉…ね)

ー

「ゆあんくんとお泊り、久しぶり！」
「そうだね〜、窓越しに話すことは多かったけど」
「どうせなら一緒にお風呂入る？」
「えっ…俺、男の子だよ？」
「小さい時一緒に入ったじゃん」
「いやいやいやいや、俺もるなもいろんな面で成長してるからね⁉」

俺の幼馴染にしてもらうことは
俺を男だと認識させることからかもしれない。

「それじゃ、用意したら来てくださいね〜」
「おっけー」

適当な荷物だけまとめて
親に事情を軽く説明したら
約２秒で着くるなの家に入る。

「今日、るなの親は？」
「お仕事！」

…ダメだ。
なんとなく、いや、絶対泊まってはいけない気がしてきた。

「るなお風呂入ってきます！」
「いってらー」

…女の子の部屋。
１人でいたら、なんか罪悪感が湧く。
青と水色を基調とした部屋は
整理整頓されていて、
ふんわりと花のような、甘い香りがする。
少し狭い部屋の窓を開けると
いつもいる俺の部屋の窓が見える。
物が少し少ないが
整った、綺麗な部屋だ。
小さな頃から見慣れた、部屋。

「…はぁ」

思わずため息をつく。
こんな、年頃の男の子をなんの警戒もなく部屋に上げて
しかも２人きりとか…。

「上がりましたよー」
「あ、おかえりー」

水色のモコモコパジャマ。
たしか、俺が中学１年生の時に
誕生日プレゼントとしてあげたものだ。

「そのパジャマ、似合ってるよ」
「ありがとうございます！
　あ、着替えはここにありますね！」
「そりゃそうだよｗ」

とりあえず
俺が男の子だって自覚させる所から始まるな…。