頑張り屋の廉くん30

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紫耀side

暫く待ってると、診察室の入り口

その反対側のカーテンの仕切りの奥から

優しい雰囲気を纏った先生が診察室に入ってきた。


先「お久しぶりです」

「お久しぶりです」


以前も診察してくれた先生。

先生も覚えててくださったのかそう言ってくださった。


その言葉に俺も返事を返した。


「廉、大丈夫だからね」

廉(コク)

「先生の事見れそう？」


その言葉に小さく頷いた後

下に向けていた視線をゆっくり上げた。



先「廉くん、こんにちは。僕の事覚えてるかな？」

廉(コクコク)


廉も先生の事を覚えてたみたいで

先生の言葉に小さく何度も頷いた。


先「今日はどうしたかな？」

廉『声が、出えへんくて…』


と、廉はスマホでそう文字を打って

先生に見せた。


先「辛いね。もう少し詳しくお話しを聞いていいかな？」


先生の言葉に、廉は必死に指を動かして

スマホを見せると先生は優しく声を掛けてくれた。


先「廉くんは本当に頑張り屋さんだね」


その先生の言葉をじっと目を見たまま聞く廉。


先「スタッフさんの言葉や、SNSでの言葉が廉くんの心に大きなストレスがかかって、それが声を出せなくなるというのに繋がったんだと思います」


先生は、廉…ではなく

俺らにそう説明した。


玄「先生、どうしたら…どうしたら、廉の声が戻りますか？」


玄樹がすがるように先生に聞く。


先「そうですね、、心因性失声症を治すには、カウンセリングが一番の近道かなと思います」

「カウンセリング…ですか、、声が出ない状態だと」

先「主には筆談ですね。今の廉くんのように、スマホやパソコンを使ってのお話しでも大丈夫ですよ」


そう教えてくれて、ホッとした。

確かに今の廉には、誰かに話して安心して

声を取り戻す。っていうのがいいのかもしれない。


それも同じ業界じゃない人の方が

いいのかなって思うから。


廉『きょう、カウンセリング…できますか、』

先「うん、大丈夫ですよ。さっそくお話ししていきましょうか。メンバーさんはいた方が良いかな？」


その言葉に俺らを見た後

小さく頷いたから、俺らもその場にいて見守る事に。






＊









＊




1時間ほど、病院のパソコンでカウンセリングを受けた廉。


先「次回は3日後の11時頃にしましょうか」

廉『はい、』


先生曰く、今の廉の状態からすると

少し来院するスパンを短くした方が良いとの事で

普段なら1週間に1回の所を3日に1回にする事にした。

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