頑張り屋の廉くん30

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紫耀side

そこから本格的に診察が始まった。

…といっても、堅苦しい雰囲気は1ミリもなくて、変わらない雰囲気のまま。


先「もう少し詳しく、廉くんの気持ちとか聞きたいんだ。良いかな？」

廉(コクン)

先「ありがとう。まず、何か誰かに言われた〜とか、それで心がしんどいなぁって思う日はあった？」


その先生の質問に、廉は何か心当たりがあるのか

下を向いて唇をかみしめてる。


また何か、俺らが気づいてないところで

1人苦しんで、それに耐えてたんだろうか。


先「大丈夫。誰も怒ってリも、隠してたことを責めたりしないよ。だから正直にお話ししてほしいな」

廉『SNSとスタッフさんに言われた』

先「そかそか。辛かったね」

廉『うん、、頑張ってとか、期待してるっていう応援の声がある反面、やる気がないとか、いつも怠そうにしてるとか、俺が一番グループのお荷物やとかっていう声もあって…最初は、仕方ないって思ってた。この業界に身を置いてる以上、そう言う事を言われるのは覚悟の上やったし、慣れてた。慣れてたはずやのにっ…』


と、ある程度先生に

メモ上で、胸にしまい込んでた本音を言えたことで

我慢の糸が切れたのか、泣き始めてしまった。


…だけど、声は出て無くて

それが更に俺らの胸を締め付けた。


玄「れんっ、、」

先「辛かったね。慣れる必要はないんだよ。廉くんだってアイドルである前に1人の人間なんだから。傷ついちゃうこともある。…だけどね、僕は決して廉くんがやる気がないとか、怠そうにしてるとか、お荷物なんて思ったことないよ」


その先生の言葉に、俺らも何度も後ろで首を振る。

誰だよ、そんな事言ったやつ。


どうせSNSで匿名で、顔が見えない事をいい事に

廉を傷つけるような言葉を、容易く並べて投稿したんだ。


先「でも、、今回ばかりは廉くんも辛かったね。誰にも言えないで。一人悩んで苦しんで。ごめんね、僕が主治医としてもっと話を聞いてあげてればよかったね」

廉(フルフルッ)

先「もう大丈夫。教えてくれて、言ってくれてありがとう」


そう言って廉の頭をぽんぽんと撫でた後

眠れてないでしょ？ここのベットで寝ていいよ。


そう言って廉を寝かせてくれた。



＊






＊



廉が寝て、数分後

先生は俺らの方に視線を向けて…


先「廉くんは"心因性失声症"という病気がある可能性が高いです」


そう言葉を発した＿＿＿。

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