頑張り屋の廉くん11

嘔吐恐怖症*T.K ページ38

廉side

神宮寺の誕生日をお祝いしてから早3日。


廉「しんどいなぁ」


イルカショーの練習の疲れがどっと

出たんか紫耀と岸さんがダウンしました。


2人とも高熱を叩きだしていて

どちらとも39℃台前半。


他メンはお仕事で、今日オフやった

俺が看病することになった。


朝、まだ比較的動けてた2人。

やから、下の和室に布団を敷いて

寝かせてそこで2人同時に見ることに。


紫「げほげほっ…」

岸「げほっ…はぁ…げほっ」


2人とも咳は酷いし

紫耀に関しては頭痛がするらしく


咳き込む度に顔を歪めとる。


廉「しょお、寒くはない？」

紫「ん、も…寒くないっ…」

廉「なら良かった。冷えピタ張り替えような」


紫耀の毛布を一枚取ってあげてから

おでこに貼った冷えピタを張り替えてあげて


寝れるようにとお腹のあたりをトントン

してあげると、すぐに寝息が聞こえてきた。


廉「優太ぁ〜しんどいね、寒くはない？」

岸「ん…げほっ…も、寒くないっ…」


優太も紫耀も熱が上がり切ってくれたらしく

寒くないっていうとるから、優太の毛布も外してあげて


廉「冷えピタ貼ろうな」

岸「ん…」


優太の冷えピタも取り変えてあげる。


廉「寝ちゃおうな」

岸「ん…廉も、ちゃんと休めよ」

廉「おん。ありがとう」


それから紫耀と同じくお腹をトントンしてあげたら

眠ってしまった岸さん。



廉「ふぅ…」


まだ2人とも戻してへんだけ

助かったわ。


俺、まだみんなに言ったことないねんけど

実は、【嘔吐恐怖症】やねん。


あれは、俺が8歳の時…


小さい頃体が弱かったせいか

しょっちゅう、高熱やら自家中毒やらに

かかってた俺。


そして必ず熱を出すと、吐き気に襲われてた。

それまでは嘔吐に対して恐怖なんて覚えて事

何てなくて…


きっかけはホンマ些細な事。

その日は高熱と自家中毒がダブルで

襲ってきて、でも目が覚めると

母さんも居らんくて部屋に一人ぼっち。


いつもなら、しんどくても

起き上がって母さんを探しに行くんやけど


その日はいつも以上に吐き気が酷くて

起き上がれんかった。


寝とっても感じる吐き気。

治れ治れって思ってんのに、俺のそんな

想いとは裏腹にどんどん増していく不快感。


それに耐えれんくなって、ベッドの上に

戻してもうたんよね、俺。


それから少しして母さんが

部屋に入ってきて…


怒りもせずに、しんどかったね。

そう言ってその場の後始末とうがい、着替えを

させてくれた

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