狼 青 年 〜フードの奥の素顔〜

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光side



光「……出たくないなら、マネージャーさんに相談してみな。体調不良ってことにしてもらえばいい」

涼「……………でも」

光「分かってる。……出たい気持ちもあるんだろ？」



うん、小さく頷く涼介の声は、リビングで遊ぶチビたちの声にかき消されそうになった。

それでも目だけは、不安と恐怖の中に、強さを見せている。





…………だったら。




光「…だったら頑張りな」

涼「っ……」





俺の仕事は、その背中を押すことだ。








光「堂々としてなさい。……正体がバレたって、過去をバラされたって、今の俺にはこんなにたくさんの人がいるんだって言ってやりなさい」

涼「…………」

光「お前らがイジメなんてくだらないことをけしかけた相手は、今ここまで大きくなってるんだって見せつけてやりなさい」




………涼介。涼介は、凄いよ。

本当にすげぇ奴だよ。




今ここに涼介がいることを、俺は本当に誇りに思うよ。


だから…………





光「自信持って、涼介」

涼「…………自信…」

光「涼介は、すごいんだよ。本当にそう思う、俺は」





元気づけるため？

いや、違う。


スラスラでてきた言葉は、全部俺の本心だ。





涼「………ひか、すき」

光「ふふっ…俺も好きだよ。俺の自慢の、家族だ」





涼「…………もっかい、ぎゅってしてい……？」






まるで本当の息子のように、こんなに愛おしい涼介を……慧を、侑李を。

この家を既に出た子供たちを。



ずっとずっと守っていこうと……ずっとずっと、帰れる場所を作ってやろうと、そう思った。

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