・ ページ29
涼介side
幸「…死ぬ時はみんな一緒ってことすか……？ひぇー……」
………せっかく貰った、大切な命。
元々の心臓の持ち主である人の分まで、俺は精一杯生きなきゃいけない。
涼「違います。…………皆で生きるんです」
……絶対死なない。
こんなところで、死んでたまるか。
ゆ「でも………どうやって、扉選ぶんですか…？」
明「そうね………んー……」
皆が頭を悩ませる中……ゆかちゃんの手を、さっきよりも強く握った。
……活かせるものは、全部活かす。
そうやって、今まで事件だって解決してきたんだ。
涼「光くん、ちょっとゆかちゃん頼んでいいですか？」
光「へ？お、おう……」
俺と手を繋いでいたゆかちゃんを、かっちゃんを抱っこしていた光くんに預けて。
俺はゆっくりと、扉に近づいた。
意味があるかなんて、分からないけど。
俺に出来るのは、これくらいしかないから。
婆「…なに、してるんだい……？」
俺は…………目を閉じて、そっと耳をあてた。
.
『お前も雇われたのか？』
『おう……100万貰えて、しかも絶対警察にもバレないように配慮するなんて言われちゃ、貧乏人の俺にゃやらないほかねーよ』
『はっ………俺もそうだぜ。ホームレスだ』
『おいそこのやつ、こっちの扉やるぞ』
………これは………ここを作った時の音、か……？
足音がかなり沢山ある………
身寄りのない人や貧乏な人を、100万あげるからと雇ってフロアを作らせた、と………
『おーい、このピンクの扉はー？』
『不正解はそっち！！ミスったら殺されんぞ…っ！』
なるほど………ピンクは、不正解………
残りは緑と黄色……
『こっちの緑はどっちだっけ？』
『あそこじゃね………あれ、ここ正解？不正解？』
『しっかりしろよー……こっちが不正解！だからそっちの扉がこっち！』
クソっ………！
会話は聞こえるけど、見えはしないから……こっち、とか言われると分かんねぇ………
………でも。
この3人の声はそんな大きくないから、きっとひとつに集まって話してるはず…
ってことは、“こっち”と言われてる扉が緑なんだから、最後に“そっち”と言われてた扉は黄色…………
『こっちが不正解！だからそっちの扉はこっち！』
こっちが不正解…………そっちの扉が…不正解…
ということは…正解の扉は………
涼「緑だ……！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 579人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました！ (2021年11月25日 20時) (
レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます！りずむさんの作品全て好きです！新作の更新も頑張ってください！楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね！これからも他の作品で頑張ってください！！！ (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます！そのとおりです〜！お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね！！どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
