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大貴side
すぐに、薮さんとの話を済ませたものの、もう既に涼介の姿は見えなくなっていて。
………アイツ…今まで走らせなかったから分かんなかったけど、足速かったのか……
マスクもしてるくせに、あんな走っていっちゃうなんて…!
意外な能力に驚きながらも、すぐに追いかける俺。
ようやく見えた涼介は、曲がり角を曲がるところだった。
大「早すぎだろ…っ、しかも、あそこ人通りすくねぇ道!」
この世の中、何事にも用心は必要。
ここまで走れてる涼介だけど、やっぱりそこは心配で。
仮にも数日前まで入院してた涼介だ。
何かあってからじゃ遅い。
閑散とした道の曲がり角を曲がった涼介は、また見えなくなって。
早く追いつこうと、俺も急いでその曲がり角を曲がった。
……………その時だった。
大「っんぐ……!!」
なんだ……!?!?
突然後ろから体を抑え込まれたかと思えば………口と鼻を、ハンカチで覆われて。
大「んっ!んー……っ!!」
やべぇ……!
涼介…!!!
走っている涼介にも俺の声は届くはずもなく、意識がふわふわとしてくる。
クソ……!薬品か!?
大「っ、…く………………」
「……ごめんね、ひとまずそこで眠っといてね!」
自分の意思に、逆らうことも出来ぬまま。
そんな声と共に……………俺は、目を閉じてしまった。
.
大「………っ…ん…………」
………ぼやぁっと、目を開ける。
真っ白な、でも、眩しくは無い蛍光灯。
ぱちぱちと瞬きをする度に、だんだんピントが合っていって。
宏「…起きたか…!」
大「薮、さん…………………っ、薮さん!涼介は…!」
ここは……………そうだ。
警察病院だ……
ということは、俺は無事。
俺が涼介という言葉を放った途端…………薮さんは、罰が悪そうな顔を見せて。
…………嫌な予感。
どきりと、心臓が変に騒がしくなる。
宏「………お前が倒れてた所の……………数メートル先に、マスクが、落ちてた」
大「……マスク……………?」
あの時の、マスクをしながら走っていく涼介を思い出す。
…………それって、まさか…………
宏「……………涼介くんのもので、間違いない」
……………嘘、だろ……………
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しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました! (2021年11月25日 20時) (レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます!りずむさんの作品全て好きです!新作の更新も頑張ってください!楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね!これからも他の作品で頑張ってください!!! (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます!そのとおりです〜!お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね!!どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)
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