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涼介side
光「涼介くんっ!しっかりしろ!」
壁の向こうから、そんな声が聞こえるけど……止まらない咳は、体力をどんどん奪っていって。
涼「ん…っ、ゲホッ…!」
少し朦朧としながら、コツンと頭を壁にくっつければ……自然と、耳も壁に触れた。
涼「…ケホッ…!………っ、あ……………」
…………もしかしたら……聞こえる、かも……
そのまま目を閉じ、耳を集中させる。
.
………さっきのフロアと同じ……ひとつの足音、
……………だけど。
【………よし。準備完了だ……】
ピタリと足音がやんだ時…………そんな声が、聞こえて。
涼「…え…………っ?」
……その声は、変声器を使っていなかった。
嘘………あの人の声………!?
…………ハッとして目を開けて、その人の方に視線を向ければ…………その人は、かすかにニヤリと口の端を上げて。
やっぱり……お前がRP……!!!
涼「っ、ゲホッ…!ゲホッゴホッゲホッ!!」
クソ……!
分かったのに、それを伝えようと口を開ければ、出てくるのは咳と赤い血。
とうとうその場に座り込んだ俺は、全体重を壁に預けても体を支えらなくて。
婆「涼介くん!」
明「涼介くん…!!」
み「おっ、おにいちゃ…!」
皆が…………そんな俺の方に視線を向けた。
.
「ストップ!!!」
……………ちょうど、みんなの体が俺の方を向いたタイミングで。
そう言葉を放ったのは……………
………俺が見破った、Mr.RPだった。
「皆の意見は……涼介くん、ってことでいいんだね!了解〜!」
涼「お、前っ……ゲホッ……」
……もう隠すことなく、本性を出しているMr.RP。
………………若者サラリーマンの仮面を、ようやく外した。
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しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました! (2021年11月25日 20時) (レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます!りずむさんの作品全て好きです!新作の更新も頑張ってください!楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね!これからも他の作品で頑張ってください!!! (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます!そのとおりです〜!お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね!!どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)
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