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ページ37

宏太side



山田すず子は、恐らく偽名であること。

本当の名前は、涼介も知らないこと。

お姉さんの遺体は……どこにあるか分からないということ。



涼介は本当に、今までのことをすべて話してくれた。



点と点が、ようやく線で結ばれて。

全てを話終える頃には…………涼介の目には、涙が浮かんでいる。



こんな辛いものを数年間………一人で抱え込んで…………





宏「………頑張ったな。凄いよ、お前は」


涼「っ………」



涼介の小さな体を、たまらず俺はぎゅっと抱き締めた。


小刻みに震える、涼介の体。





宏「怖かっただろ…?もう、安心していいんだよ」



そう言えば、ゆっくりと……弱々しく、背中に腕が回された。





慧「……涼介、ここにはさ。もう分かってると思うけど、支えてくれる人たちはたくさんいるんだからね」


雄「ん、そうだよ。俺たち職員も……裕翔たちだって。な?」

裕「うん、もちろん」



大「もうひとりで抱え込むことなんてないよ。………家族なんだもん」


光「泣きたいときは泣けばいいし、悩みだって全部聞いたる」



うんうんと、涼介が一生懸命頷くのが分かる。

肩が濡れて、チラリと顔を覗けば、涼介の綺麗な顔は見たこともないくらい涙で濡れていて。


涼「っ………ありがとぅ、みんな………」


少し掠れた声でそう言う涼介に………皆が、優しく笑った。





侑「……僕もぎゅーする」

圭「え、俺もっ!」




……俺と涼介に、ふたりしてぎゅっとしがみつく侑李と圭人。


それにつられるように、涼介を中心に皆が密集し出して。


……ちょっと苦しい………



けど…涼介の表情は、晴れやかな笑顔だった。



涼「えへへっ………あったかい……」


……まだ、中学生。

過去は壮絶だったけれど……きっと未来は、輝く希望に満ちてるはずだ。

輝希→←・



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楠木りずむ(プロフ) - 柑橘類。さん» 嬉しいです……!!こちらこそ読んでいただき、コメントまで感謝です!ありがとうございました!m(_ _)m (2019年11月10日 9時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘類。 - 初コメ失礼します。今更ながらではありますが、完結おめでとうございます!輝希の皆の温かさや、幼い山田くんの苦悩と決意に泣かされました…どの小説よりも大好きな作品です。書いてくださりありがとうございました! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 8dd377e6cf (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» こちらこそ読んでいただき感謝しかないです!ありがとうございます!!! (2019年11月8日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 眼鏡っ子さん» ありがとうございます♪実は掛け持ちをしておりますので、ぜひそちらも覗いてくださいな…(しれっと)ありがとうございました! (2019年11月8日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - かのさん» 嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年11月8日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2019年10月6日 13時

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