マネージャーの、山田です。

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慧side



侑「りょ、涼介？大丈夫？どうしたの？」

涼「やだやだ…っ……やっ、はぁ……」

ポロっとこぼれたのは、山田の涙で。

突然のことに、フリーズしてしまう俺たち。

いつもなら冷静にならなきゃって思うはずなのに、山田のあまりの変わりように、俺もすぐには動けなかった。

慧「っ、山田？山田ー？」

涼「はぁっ、やだぁ……っ」

慧「山田ー？どうしたどうした……」

俺らの声に聞く耳を持たない山田。

うずくまってる山田の背中は、呼吸と共にどんどん大きく上下して。

意味があるのか分からないけど、とりあえず背中をさすってみる。

……うーーん、困ったな…

嫌がってはいたけど、ここまで取り乱すなんて思わなかった………

もっと強く止めときゃよかった。

騒然とする、スタッフさんたち。
そして、呆然とするカメラマンさん。

なんかもう、ほんとどうすりゃいいんだ……

侑「涼介……」

涼「やだっ……や…っ…」

これ以上悪化して、過呼吸にでもなったらそれこそどうしようも出来ない。

知念と顔を合わせれば、知念も困ったように首をかしげた。

……そんなとき。


秀「っ山田！」


スタジオの入り口から聞こえてきたのは、もうひとりのマネージャーの声で。

慧「あっ、秀さん…！山田が…」

秀「あぁ、大体状況は読めた」

颯爽と近づいてきた秀さんは、うずくまる山田のもとに近づいた。

秀「山田ー？山田、こっち向いてみ？山田？」

涼「っ……」

秀さんが優しくそう肩を叩くと、山田は地面に下げていた顔をゆっくりと上げる。

目と鼻が真っ赤になった、涙でぐしゃぐしゃの顔。

秀「うん、そう。もう大丈夫だからな。……ふたりとも、コイツ楽屋で休ませてやってくれる？」

慧「あ、はい……」

未だヒクヒクは言ってるものの、さっきよりも落ち着いたみたいで。

立てる？って声をかけてみれば、こくっと頷いてフラフラ立ち上がった。

侑「僕、先楽屋行って皆に話通してくるね」

慧「うん、ありがと」

パタパタと走っていく知念の後ろ姿を見ながら、俯く山田の体を支えてやる。

そのまま俺らは、ゆっくりと歩き出した。

…………スタジオを出る直前に、チラッと振り返ってみたら……秀さんに向かって、ペコペコ頭を下げるカメラマンさんの姿が見えた。

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