あの子が欲しい ページ5
※妖怪パロ
夕刻の人気のない山の中で、ひとりの人間を抱き抱える烏天狗が1匹
ま、俺の事やねんけど
その烏天狗は、腕に抱えたものを見せながら仲間の化け狸に声をかけました、と。
｢見て見てーロボロ、山の麓で拾った｣
｢なんや俺忙し…って人間！！？｣
｢頭打って気絶してもうたからほっとくのもアレやと思って｣
｢気絶させたん！？｣
ロボロが驚愕する。
いやいや人聞きの悪い。
｢いや俺やないで、野盗とか野蛮な人間の男おるやろ？その類の連中に襲われて頭打ってん！｣
｢…でそれを見てて助けてしまったと。相手殺してへんやろな｣
｢殺しては、いない！ギリギリ助かると思う！｣
｢なぁゾム、戻して来た方がええよ。人間と関わっても良いことないで、元々生きる世界が違うんやから｣
｢あ、この子頬も切れてる｣
｢聞けよ！その子の家族も心配するやろ｣
｢えーでもなぁ、なんかほっとけへんねん、傷の手当せなあかんし俺の家に持って帰るわ｣
｢はえ〜〜強引やなこのくそ鴉、どうなっても知らんからな！｣
ロボロの話も一理あるけど、説教を聞く為に話しかけた訳じゃないからおもっくそ聞き流してやった。
せっかく拾ったのにそう簡単に手放せるわけないやん、なんて思いながらその場を飛び去った。
行先は、妖の住む世界。
人間は、出入りすることが出来ないどころか、見たことすらもない場所。
目が覚めたらきっと驚くはずだ、どんなリアクションをしてくれるのか今から楽しみで仕方がない。
俺は、優しいからまず傷の手当を最優先には、するけどその後は、色々と俺に付き合ってもらう予定だ。
偶然見かけた初対面の人間にどうしてこんなに気を引かれるのか自分でも不思議で、こんなこと生まれて初めての感覚だし興味を持って当然だろう。
俺は、知りたいんだ、それがいったい何なのかを。
だから風で彼女の着物が乱れないようしっかり抱えて、急ぐように大空を羽ばたいた。
｢はよ名前教えてや？｣
翌朝、目覚めた彼女が声にならない声を上げて飛び上がった。
｢おはようさん｣
｢こ、ここは、いったい…！？貴方は…！？｣
｢俺は、鴉天狗のゾム、でここは、俺の家｣
｢これは、夢…？｣
余程信じられないのか自分の頬を抓る彼女。
痛みに顔を顰め、俺の期待通りの動揺っぷりを見せてくれて面白い。
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あいまいアイン(プロフ) - 久々に読み返しにきました！何度見てもニヤニヤが止まりません... (4月9日 11時) (
レス) id: cc2cd4c541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - チェリーさん» (ゆ、遺言…だと！？) ありがとうございます！嬉しくて溶けます…！あとお返事遅れて申し訳ない…！！(土下座) (2020年8月30日 18時) (レス) id: 65cc5437ad (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 最高でした(遺言) 可愛さで語彙力溶けましたわ… (2020年3月4日 11時) (レス) id: 8ac09bc0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - mo4さん» う、うれしい…！！ (2019年9月22日 20時) (レス) id: 62bd964a7d (このIDを非表示/違反報告)
mo4 - か、かわいいかよ… (2019年9月21日 19時) (レス) id: c8f50611df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年5月2日 12時
