「朝から誘ってるの?」A ページ1
自分の寝返りと同時に目が覚めて、目の前には大好きな人の顔。
「おはよう」
彼もすでに起きていたようで私に向けられた双眼は眠たそうな様子はなくいつから起きてたんだろうと少し恥ずかしくなる。
「起きてたの?」
「うん。ちょっと前にね。寝言言ってたよー」
「え、なんて?」
変なこと言ってなかった?
そう聞く前に告げられた言葉にギクリと肩を揺らす。
「んー?知らない男の名前呼んでたぁ」
「えぇ!?」
次に告げられた言葉には体ごと危険信号を察知し勢いよく体勢を起こした。
怒るわけでもなく、笑うわけでもない。
いつもと同じ舌ったらずで朝だからか少し気の抜けた言い方が逆に怖くて萎縮する。
「ハハハッ。嘘だよ。なんも言ってなかった」
「なんだぁ、よかったぁ…」
ホッと胸をなでおろしたのもつかの間。
視界が揺らぐのと同時に条件反射で起こした体は元いた暖かいシーツに倒れる。
何故ならあろまくんに組み敷かれているから。
「よかったって思うのは後ろめたいことがあるのかなぁ?」
「ない!ないない!あるわけない!」
首をブンブンと横に振り必死の抵抗。
垂れ下がった前髪の隙間から見える目が鋭くてまた萎縮する。
「あろまくん以外ありえないからっ…!」
「……」
その言葉に一瞬目を見開いたがすぐに楽しそうに目を細めて「ふーん…」と小さく声を漏らした。
グッと顔の距離が近づいたかと思うと彼は私の耳元に口を寄せ耳たぶを甘噛みしてから不敵に囁いた。
「朝から誘ってるの?」
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有馬(プロフ) - クガさん» コメントありがとうございます。色気ムンムンな先生が好きなので伝わっていたならうれしいです(^^) (2019年6月19日 12時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
クガ - 先生の色気がヤバすぎる( ˘ω˘ ) (2019年6月16日 13時) (レス) id: f58410126e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有馬 | 作成日時:2019年6月16日 2時