7話 ページ9
銀「おーい、ちゃんと聞いてる?銀さんがせっかくかっこいいこと言ってんだから聞いてくんないと泣いちゃうよ?」
あまりに驚きすぎて固まっていた。彼が私の顔を覗き込んできてハッと我に返る。
あ「そんなの、無理です!確かにあなたは、私の攻撃を止めてくれました。でも、これから先ずっと私の暴走を止められるはずない。いつか絶対、私はあなたをこの手で殺してしまうことになる…。この世界に来て困っていた私に手を差し伸べてくれたあなたを…私は殺したくないんです。だから、その気持ちは……嬉しいけれど…」
そう。涙が出そうになるくらい、嬉しい言葉だったけれど…でも。
銀「ごちゃごちゃうるせーよ。俺が万事屋の一員になれっつったらそれはもう決定事項なんだよ。お前はめんどくせーこと考えずにはい!ありがとうございます!って言えばいいだよ。」
あ「そ、そんなこと……。あっ…だって、彼女の気持ちは!?私のこと怖いでしょう!?だって私は彼女を殺そうとしたんだから!」
そんなんで上手くやっていけるはずがない。彼女を見遣れば、目を伏せ何かを考えているようだった。
銀「…だってよ、神楽。お前どうしたいよ?」
神「私は……Aに万事屋の一員になってほしいアル。別にもう、私は怖くないアル!あの時は油断してたネ!私普段もっと強いヨ!だから、もう気にする必要ないアル!」
私を見つめるその目には、もう恐怖の色は見えなかった。ああ…なんでーーー
あ「なんで……そんなに、優しくするの…?私……私は……」
今まで必死に堪えてきた涙が一気に溢れ出した。事情を知ってなお、私を受け入れてくれるというの?
銀「んで、改めて言うけどA、お前万事屋の一員になれ。返事は?」
あ「…っはい!ありがとう、ございます…!」
受け入れてくれるというのなら、私はこれからこの人達のために生きていこう。何があっても彼らを裏切ることのないよう…私は今日の涙に誓った。
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作者名:葉生姜 | 作成日時:2017年10月17日 21時