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10話 ページ12

あ「はい、銀さんお待ちどうさま。」



銀「おう、あんがとさん。」



あ「それと、これ…神楽ちゃんと新八君の分。銀さん食べちゃダメですよ?」



銀「食わねーよ!銀さんのこと全然信用してねーのな。」



あ「銀さんほど口だけの人間いないですから。」



銀「何だそれ、酷ェ言い草じゃねェか。」



あ「ふふっ…嘘ですよ。銀さんのこと、信用してますから。それ、お願いしますね。」



こんな何でもない日常のやりとりの1つ1つがとても幸せで。自然と笑みがこぼれる。銀さんと出会えて本当に良かった。



銀「……っおう、任せとけ。」



最後、銀さんは私から不自然に目をそらした。



あ「……?」



もう意識が団子に向いてしまったのだろうか。そんな疑問も他のお客さんに呼ばれたことですぐに消え去った。



銀時sideー


ーーー焦った。あいつが、Aが…あまりにも幸せそうに笑うから。その笑顔があまりにも綺麗だったから。自分の顔が熱くなるのを感じてあいつから咄嗟に目をそらした。



銀「……クソ。反則だろーがあの笑顔。」



思わず呟いてしまった。隣に、1番聞かれたくなかった悪魔がいることも忘れて。



沖「青春してやすねェ、旦那。」



しまったと思った時にはもう遅かった。奴はその爽やかな顔からは想像できないほど真っ黒な笑みを浮かべて俺を見ていた。



銀「………何のこと?」



沖「何のことって、今更しらばっくれてもバレバレでさァ。あんた、Aに惚れちまったんだろう?」



銀「は、はぁぁぁ?この大人の魅力溢れる銀さんが?あんな小娘に惚れたって?んなことあるわけねーだろ!?」



沖「ほう?じゃあ旦那はAのことなんとも思ってねェってことでいいんですかィ?」



銀「いいに決まってんだろーが!!銀さんにはもっとボンキュッボンのナイスバディなおねーさんがお似合いだっつーの!」



沖「じゃあ、俺が狙っていいですかィ?」



銀「………は?」



沖「あんたがAに惚れちまったっつーんなら俺は大人しく引き下がりやすが、興味ねェなら俺が貰うんで。」



いいんですよねィ?と、奴が言う。んなもん……



銀「いいわけねーだろが!!」



気付けば俺はそう叫んでいて。店内がしんと静まり返る。ハッと我に返って大人しく席に座る。徐々に喧騒が戻っていく中でAが心配そうにこちらに近づいてきた。

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作者名:葉生姜 | 作成日時:2017年10月17日 21時

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