未来のその先 ページ12
一瞬ショッピさんのアメジストの瞳が宝石みたいに輝いた気がした。
「揃いも揃って私に攻撃を…ッ！」
「悪いけどあんたを殺して、この施設も破壊させてもらいます。」
「だからアンタに何が出来るって言うんだい！？さっきは手も足も出なかったクセに！！」
ショッピさんは口角を上げて私を見た。
「そりゃあ、可愛い後輩のお陰ッスわ」
ショッピさんが女に詰め寄りバールを振りかざす。女はバールが来ることに気づくが体が反応しないのか、バールは急所を避けて肩へと落ちた。
「何故だッ！お前ら二人とも異能持ちではないはず…ッ！
「残念。アンタが見える未来、俺にも見えるみたいや」
バールがついに女の脳天に下された。ぐちゃり、と生々しい音と鉄の臭い。ピクピクと痙攣する体。
「実験はもう終わりや。」
ショッピさんが拳銃で今度こそ女の命を奪った。
「…ショッピさん」
「ごめんな、怪我させてもうた」
「私なら大丈夫です。それよりショッピさんこそお怪我は…！？」
「後でしんぺいに治療してもらうから大丈夫や。はよこんな胸糞悪い場所から出よか。今頃チーノさんが爆破の準備と被験者の解放してくれとるはずや」
「それで別行動だったんですね」
ショッピさんが頷く。
「…あとな、A」
「はい」
「お前、能力使ったか？」
「無意識に使っていたとは思います」
何やら考える様子のショッピさんの顔に何か変なことしたのだろうかと不安になる。アメジストの瞳と目が合う。
「俺、異能覚醒したわ」
「え」
「さっき女が言っとったみたいに俺も女やAの先の動きが見えるようになった。それもお前が俺を見て笑った瞬間からや」
「えぇ？！」
「トントンさんやしんぺいさんが、Aは能力が効かないだけではなく力を増長させる力があるって言ってたのは本当かもな。それも無能力者に異能覚醒させるとは…」
「そんな私、ただ安心して…ショッピさんなら大丈夫って思っただけなのに！」
「…そんなこと思ってたん？」
「はい！だって、ショッピさんについていけば間違いないじゃないですか」
さっきもかっこよかったですよ、と伝えればショッピさんは自分の頭をガシガシとかいて溜息を落とした。
「っはぁ〜！アンタほんまやりにくいわ」
きっと彼なりの照れ隠しなのだろうと私は笑う。
「ほら、はよ行くで。チーノさんが待っとる」
くるりと私に後ろ姿を向けた彼の耳は真っ赤であった。
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鳩山(プロフ) - えみさん» コメントありがとうございます。懸命に生きる2人と彼らの話を素敵と言っていただき本当に光栄です…！最後までご愛読ありがとうございました！ (2021年2月20日 16時) (
レス) id: 9ca89ee33d (このIDを非表示/違反報告)
えみ - rbr推しですがshaちゃんとくっついて欲しいと思ってしまう程の作者様の文才に引き込まれました…！とても素敵な話でした！ (2021年2月19日 17時) (レス) id: 1597543406 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ブンブンさん» ブンブンさん！以前もコメントして下さいましたよね？本当ありがとうございます…！良かったら番外編でもよろしくお願いします…！最高に嬉しい言葉を本当にありがとうございました！ (2019年11月11日 0時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 完結おめでとうございます！貴方の作品に出会えて本当に良かったです！ (2019年11月10日 23時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - kogarashi343gooさん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいお言葉ばかりで私からも感謝させてください！すごく励みになります…！今後は番外編然り、別作品然り、更新頑張っていくつもりですので今後ともよろしくお願い致します！ (2019年11月10日 22時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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