【d!】君の顔も見たくない【軍パロ】

もう間違えない ページ21

目が覚めて、一番にすること。それはロボロと大先生を連れて総統室へ向かうことであった。

もう、間違えない。

私が第二機動部隊副隊長と一対一で戦えば必ず勝てる。そしてグルッペンに話すルートで行けば、時限爆弾はトントンがなんとかしてくれる。

これでシャオロンの死因となる爆死と毒死を回避できるはずだ。

私は一度経験した"今日"の通りにグルッペンに話しかける。グルッペンは相変わらず何を考えているか分からない顔をして一人静かに珈琲を飲んでいた。

私は泣きそうになる時は表情を作り、愛想笑いを浮かべていく。心はひどく冷静であった。仲間を騙しているようで心苦しさがないといえば嘘になる。しかし、彼を助けることが出来れば、後はもうなんだっていいのだ。

「A、なんか…焦ってないか…？」
「焦る？当たり前でしょ…軍の危機なのよ。いい？女の勘は必ず当たるの。今は私の言うことを聞いて」
「何か俺はAちゃんが心配やわ。色々背負いすぎて壊れてしまいそうやもん」

大先生とロボロが心配そうに私を見つめる。

「私なんて心配する必要ないよ。そんな価値はないもの。……グルッペン。私の言う通りに動いてくれる？」

グルッペンは"昨日"のように即答で返事はくれなかった。私の瞳を見て、ロボロと大先生へ視線を向ける。

何故だか私だけが仲間外れになったようで気にくわない。モヤモヤとした気持ちが駆け巡って…

「いいから！私の言う通りにして！！」

思わず大きな声を出す。ガチャン、とグルッペンがテーブルに置いていたコーヒーカップが揺れる。

ハッとする私を驚いたように見る三人。
少し罰が悪くなり、そんな三人の視線から逃れるように目を伏せた。

「大きな声を出してごめん…。確かに私は頼んだから。お願いね」
「ほんまに、大丈夫か…？」

大先生の声は無視して私は、総統室を後にした。

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