社畜な元彼と遭遇した件について（現代パロ） ページ7
華の金曜日。
駅前では飲み屋の街灯がやけにうるさい。人々は平日の仕事を終えてみな、やり切ったと顔が明るかった。
終電のこの時間、駅にいるのはそんな仕事を終えて解放された社会人か、遊び回っている大学生のどちらかだ。
そのような中でAは酒を一滴たりとも飲まずにシラフであった。グレーのスーツはよれてしまっており、顔の化粧は剥げてしまっている。髪の毛はかろうじて結んでいるがよく見ればアホ毛が飛び出してしまっている。
iPhoneで、疲れたあなたへ贈る曲メドレーを聞きながら死んだ目をして電車を待つ。
「はぁ…」
溜息しか出なかった。
Aは所謂、ブラック企業に勤めていた。人手不足による毎日の残業(しかもノー残業代)。上司からのパワハラ、セクハラ。会社の経営は黒字でも、下げられているのは人件費を削っているからだ。
今日だって、そんな会社に耐えきれず一人が無断欠勤した。その子の教育担当がAであったこともあり、無断欠勤した子の分は配分されるのではなくAだけに押し付けられてしまっていたのだ。本当は19時には家に辿り着き21時にはドラマを見るはずだったのに…と涙が出てくる。
「もう辞めようかな…」
本心が言葉となって、ホームに落ちた。
「A…？」
名前を呼ばれた気がして、ふと振り返る。そこには、スーツ姿の男。彼女の元彼──ひとらんらんの姿があった。
「え、ひとらん…？」
「うわぁ、間違えてなくて良かった。久しぶりだね」
彼もまたスーツはヨレヨレであり、目の下には隈が見える。Aはそんな彼の顔を見て懐かしい気持ちになった。
「久しぶり。……飲みの帰りじゃ、ないよね？」
「もちろん。Aも相変わらず残業？」
「うん…また一人無断欠勤されちゃってさ…」
「あ〜、あるあるだね」
疲れていても穏やかな彼の声に少なからず癒された。
「明日は休み？」
突然の彼の言葉に、ん？これはお誘い？と邪な考えが浮かぶ。
「休みだよ。ひとらんは？」
「俺も休み。……良かったらさ、久しぶりに飲みに行かない？」
仕事に疲れたAだが、元彼とあって警戒心ゼロで頷いた。
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鳩山(プロフ) - 114514さん» コメントありがとうございます…！（そっとハンカチを差し出す）難民さんに刺さるお話があれば幸いです！ (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9ca89ee33d (このIDを非表示/違反報告)
114514 - ぐはっ（吐血） (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんコメントありがとうございます…！難民として完結できたことを誇りに思います！今後とも活動は続けていきますのでよろしくお願い致します…！ (2020年4月7日 17時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - htrnさんの素敵なお話ありがとうございました……！ (2020年4月7日 7時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 外ピさん» コメントありがとうございます！htrnは私の最推しでして、自給自足のためにこの作品を作りました。その言葉に私は咽び泣くほど嬉しいです…！ありがとうございました！もう終わりに近づいてはおりますが、今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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