ストーカーバレました ページ15
「こねしませんぱい」
ニコニコと笑顔を忘れずに。大好きな人の前で女としての表情は崩さずコネシマ先輩の靴を全力で踏んだ。
「いたたたた！！」
耳元ででっかい声を出す先輩にさらに足の力を加える。
「Aが俺のストーカー…？」
ひとらん先輩は目を丸くさせていた。きっと気持ち悪過ぎて思考停止状態になっているに決まっている。
「ち、ちが」
「別にそれでもいいけどね。」
「え？」
否定しようとひとらん先輩へ視線を向けると意外にもひとらん先輩は笑っていた。自分の脳が都合の良いように解釈したのか、と頬を抓るがしっかりと痛い。どうやら現実らしい。
「Aが俺のストーカーでも別にいいよ。実際毎朝駅で俺のこと待ってくれてるでしょ」
「…なんで知って」
「だってAと初めて会ったの同じ線だったじゃん。いつも俺と同じ時間の電車に乗ってたAが急に時間を変えるからあの時は驚いたな」
「ん？」
「俺としては可愛いAがまたあんなゲスの男に触れられないか心配で心配で…。でも毎日俺のこと待っててくれたんだよね？だから俺もAの好意を受け止めて君と同じ電車に乗って君が俺を待つ間ずっと見守ってたよ」
ひとらん先輩の口元はマスクに隠れて見えない。しかし私にも彼の瞳の奥に熱があるのは分かった。
「それって私を見てくれていたってことですか…？」
「うん。ずーっと見てたよ」
「………」
「俺がこんなんだって知って引いた？」
「いえ」
私は顔を上げてひとらん先輩に向き合う。
「めちゃくちゃ嬉しいです！」
好きな人が自分のことをずっと見てくれていたなんて幸せ過ぎる。ひとらん先輩の発言的に己がストーカーと明かしたようにも捉えられるが、私にとって彼の発言は愛の告白にしか聞こえなかった。なんなら、私のことを可愛いと言ってくれている。最高すぎて死にそうだ。にこにこと笑う私を見てひとらん先輩は安心したように笑う。そして「やっぱりAは最高に可愛いね」とリップサービスをしてくれた。やっぱりどう考えても彼が好きという気持ちは変わらない。
「ひとらん先輩！今日も一緒に帰りませんか？」
「もちろんだよ。いつも通り家まで送るからね」
「ついてきてたんですか？」
「もちろん」
「え、普通にときめくんですけど」
「…コネシマ先輩これアンタのせいっすからね」
「正直すまんと思っとる」
ストーカー二人を見ていた先輩後輩は我関せずと違うテーブルでサバの味噌煮定食を食べていたのだった。
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鳩山(プロフ) - 114514さん» コメントありがとうございます…！（そっとハンカチを差し出す）難民さんに刺さるお話があれば幸いです！ (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9ca89ee33d (このIDを非表示/違反報告)
114514 - ぐはっ（吐血） (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんコメントありがとうございます…！難民として完結できたことを誇りに思います！今後とも活動は続けていきますのでよろしくお願い致します…！ (2020年4月7日 17時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - htrnさんの素敵なお話ありがとうございました……！ (2020年4月7日 7時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 外ピさん» コメントありがとうございます！htrnは私の最推しでして、自給自足のためにこの作品を作りました。その言葉に私は咽び泣くほど嬉しいです…！ありがとうございました！もう終わりに近づいてはおりますが、今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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