お疲れ様（ut落ちだったら） ページ15
戦争も無事に終わった。私やチーノも怪我も治り今は平穏が我國に訪れていた。
私はトンつく隊の副隊長として正式に認められ仕事をこなしていく。トントンさんを見習って最近は軍の書記としても働いている。軍内の始末書等は全て私達の元へやってくるため、寝れる時間が限られていたトントンさんの苦労がやっと理解できた。
今日も今日とて、業務を終えた頃には辺りはすっかり暗くなっていて…トントンさんに「お先に失礼します」と声をかける。彼もまた目の下に隈を作り眠気と戦いながら「おう」と短い返事をした。
一人夜の廊下を歩いていれば向かい側から見知った人が歩いてくる。
「大先生お疲れ様です」
「Aちゃん、今日もお疲れ様やで〜」
大先生はその場に留まる。私も足を留めると彼は私の目の下の隈に触れた。
「毎日ほんま頑張っとるね」
距離が近づいたことで苦味のある煙草の匂いが鼻をかすめる。
「いえ、大先生も毎日ご苦労様です」
「俺を労ってくれるんはもうAちゃんしかおらんで…」
私が笑って大先生の手をそっと落とすと彼は少し困ったような顔で笑う。彼のこの笑顔は私を大切だと言っているようでむず痒くて、なんだかふわふわとした気持ちになってしまう。
「あはは…きちんとお仕事頑張ればトントンさんは褒めてくれますよ」
「トンちに褒められたって嬉しないわ」
「そうなんですか？」
「おん。やっぱり労られるのは女の子からって決まっとるね」
「…本当ですか？」
「何でそんな疑うん？ほんとにそうやで」
いつもより笑顔が下手くそな大先生。本当に疲れていることはヒシヒシと伝わってきた。
「大先生、ちょっと頭下げてください」
「ん？こうでええの？」
「はい」
私に向けて頭を下げた大先生。その頭をゆっくりと撫でる。黒と藍色の混ざった髪の毛は、絹のように柔らかくて私はそれが絡まないように丁寧に撫でて行く。
「毎日お疲れ様です。大先生はとても頑張ってますよ」
昔、テレビ見た。疲れを癒す方法。
人の頭を優しく撫でるというもの。しばらく撫で続けて私は手を止める。顔を上げた大先生は無言なのでそんな彼の視線から逃れるように顔を背けて、ぺこりとお辞儀した。
や、やりすぎちゃったかな？
ではと声をかけようとするといつの間にか大先生が私の肩に手を置いていて動けないことに気づく。
「大先生？」
「Aちゃん、ほんまにごめん。ちょっと拉致ってええ？」
「えっ？」
そのまま大先生は私を抱えると突然走り出した。
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🍞 - ご、語彙力が爆発してる、、すごすぎんか？ (9月24日 22時) (
レス) @page42 id: 42c1ea8f94 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんいつもありがとうございます…！番外編まで読んでくださって感謝しかありません…！また他作品は更新していくつもりですので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月14日 20時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます！本編のほうも、番外編のほうも、鳩山さんの素晴らしい文章に引き込まれ、読んでいて幸せな気分になれました。これからも鳩山さんの作品を読み続けさせてください…！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - メオさん» コメントありがとうございます！告白までしていただいて嬉しいです！これからものんびり更新だと思いますがよろしくお願いします…！ (2019年11月12日 19時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
メオ - うん、好きだ(確信)ありがとう(嬉し泣き)頑張ってくださいね！！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: 8aa2d098f2 (このIDを非表示/違反報告)
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