【d!】アキレアの祝福を【企画】 (ページ41)

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真夜中のお茶会ページ41

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わずかな沈黙。

「......Aはさ、結婚願望とか、子供が欲しいとかそういう気持ちはあるん？」

「なんだ、藪から棒に。
そりゃあ私だって女だし、相手さえいれば結婚したいとも思うさ。
子供もかわいいから好きだし、こんなに男勝りでも良ければ嫁にいってもいいかもな。」

乱れた髪を手ぐしで直し、照れたように笑うA。
その表情は年頃の女の子特有のもので、オスマンはそれを随分久しぶりに見たのだった。

「でも、私は女である前に軍人だ。
この国の為に命があって、この国の為に散ることが本望。」

力強く語るAには、一切の迷いも感じられない。
だからこそ、その純粋な想いは心を締め付けて仕方がないのだ。

「グルッペンが私を前線に出さないのは"女だから"みたいなくだらない理由じゃない、それくらいは理解している。」

「......せやな。」

「......オスマン、そんな顔をしないでくれ。キミが居なくたって、きっと私はこうなっていた。」

いつもはポーカーフェイスなオスマンも、Aの言葉には顔を歪めていた。
声に滲むのは後悔の念。
彼を追うように、Aは軍に入ったのだから。
彼には何一つとして非はないのだけれど、好いた女の望みがこれでは、どうしようもない。

「......俺は、男勝りな女もええと思うよ。」

「そうか。そう言ってくれる人がいて、良かった。」

真夜中のお茶会。

夜の匂いが眠りを誘う。

望むおやすみはどちらも異なり、はたしてどちらが現実となるのか。

それは神のみぞ知ることだろう。

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