【d!】アキレアの祝福を【企画】 (ページ4)

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つかまえた！ ci (マーシャ) ページ4

『……こいつが例の幹部…？』
「は、はい…そのはずですが…」

先日、私の上司が敵国の幹部を捕まえた。
なんでもそいつが他国に外交に行っている際に捕獲したとの事だが、生憎私には詳しく詳細が伝えられている訳では無い。よく分からないが機密情報らしく、特別位が高い訳でもない私には伝えられないという判断を上のお偉いさんがしたらしい。
あまり詳細の明かされぬまま監視役を仰せつかってしまった私は複雑な心境で牢獄に向かい、数少ない私の部下とともに初めてその幹部の姿を見た。

…こう言ったらなんだが、あまり幹部らしくない。

背は高いがあまり筋肉質というわけでもなく、ごぼうのようにひょろひょろ。へらりとした笑みを浮かべたその雰囲気も、軍人と言うにはあまりにも頼りない。ハニートラップが得意なわけでもなさそうだし、頭が特別回るようにも見えない。
一般人だと言われたら思わず信じてしまうような男が、そこにいた。

「…あ、どうもこんにちは！」
『こ、こんにちは…？』

…本当にこいつ敵国の幹部か？危機感が全くないぞ？
先程まで作っていた威厳ある表情も思わず崩れ、目を瞬かせる。隣に立つ部下も戸惑ったように男と私の顔を見ていた。

『…あー……まぁ、こいつは私が監視しておく。なんか私だけでも良さそうだし、あんたは別の業務に向かってな』
「はっ！承知しました！」

駆け足でその場を離れる部下を横目に近くの監視官用の椅子に腰かける。ニコニコと笑うその男を横目で見つつナイフの手入れをしていれば、なんとその男自らが話しかけてきた。