【d!】アキレアの祝福を【企画】 (ページ19)

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愛を囁くにはページ19

ドン、ドドンッ

一際大きな銃声が聞こえた。

『、ガハッ…』

腹を触るとヌメっとした生暖かい物が流れている。
か
Aは何とか周りの敵をなぎ倒しつつ1度引き、近場の岩陰に隠れた。

gr「おい！大丈夫か？」

『腹に2発、胸に1発。撃たれました。』

gr「そうか…帰って来れるか？」

『バカ言わないでください。出血多量で死にますよ。口からも血吐いてるんですから。』

そんなことを言っているもののAは割と危機的状況にあった。弾丸が肺を掠めているせいで先程からヒューヒューと空気が抜ける音がしている。

ゴホゴホと咳き込んでいると再び総統閣下から声がかかる。彼の声はどこか涙をこらえるような声だった。

gr「…死ぬのか」

『…死にますよ。』

gr「何か最後の要望はあるか？」

『そうですね…結婚というものを、してみたかったですね。…でも今はドックタグ回収して欲しい、、です。』

gr「そうか…必ず回収しよう」

『ありがとう、、ございます、』

gr「…本当は行かせたくなかった。」

gr「俺は…お前が…」

Aは何も答えなかった。代わりに彼との出会いを、日々を思い出していた。俗に言う走馬燈というものである。

gr「A、最後に名前を呼んでくれないか？…グルッペンと」

蚊の鳴くような声がインカムを通して聞こえてきた。

『グルッペン。』

gr「…A。安らかに眠れ」

『はい。グルッペン。おやすみなさい…』

『…愛しています。』

Aはもう声を出すことも出来なかったが最後の力を使い一言呟いた。痛みがあるとは思えない顔で微笑んだ彼女はそのまま動かなくなった。

ポトリ、と落ちたインカム

喧騒の中、そこからはただただ男の人がすすり泣く声が聞こえていた。