何度だって告白を

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【ツリメ】


み「見てー！高校時代の写真出てきた！」

『見る見る！』


俺が叫ぶとみんな集まってきた。写真鑑賞会が始まる。見つけたのは高校二年の夏の写真。みんな若い。


そ「これ見て思い出したんだけどさ、高二の夏ってAに彼氏いたよね？」

『あー…やめて黒歴史…』

り「いた！クズだった奴でしょ？」

え「別れる瞬間見たよね俺ら」


そうそう、あれは高二の夏だった。Aの彼氏が他の女の子と連絡を取ってて、そこまではまだいいんだけど、いけない内容をその女の子に送ったらしい。その内容についてはまあ想像にお任せする。


そ「そんでそれを問い詰めてる時のAを遠くから眺めてたんだよね」

り「“あんた女の子が不快になること送ってる自覚あんの？こんなクソみたいな奴なら付き合わなきゃよかった！”って言って」

つ「そしたら彼氏は“だってAだってチャラくてバカそうな男何人かとつるんでるじゃん。自分は良くて俺はダメなわけ？”って言い出してさー」

え「懐かしい笑」

そ「“今みんなのことチャラくてバカそうって言った？みんなのことを悪く言う奴にもう用なんてない！失せろクソが！”からのビンタ」

『やばい私尖りすぎ…』

つ「いやかっこよかったよ。あの彼氏はほんとにダメだったもん。一発ビンタしとくくらいがちょうどいい」

り「それにみんなのこと庇ったところもかっこよかったし嬉しかった」


みんな頷いて共感してる。


つ「別れてよかったよ」

『別れない選択肢はなかったね。私普通にあいつよりみんなの方が好きだったし』


そう言って屈託のない笑顔を向けてくる。こんな可愛い子に彼氏がいないのって普通に奇跡。いや、それってもしかして俺らがガードしてるからっていうのもあるのかも。
まあAに彼氏ができたら悲しいからずっとこのままでいいよ。


『あれから彼氏できたことないなあ』

そ「作らなくていいよ。Aはみんなのものってことで」

『あ、みんなの彼女？』

そ「それとはちょっと違うかもだけど、特別な関係だからさ、それでいいの」

『確かに。私って幸せ者ー！』


ケラケラ笑ってそらにもたれかかる。そらも満更でもない様子。
怒ったら怖いけど、笑ってると世界一無邪気で可愛い女の子だ。

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