何度だって告白を (ページ44)

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【リクヲ】

り「ねえねえ、前にAがくれた眼鏡、見えるようになったんだよ」

『眼鏡？』

り「そう。Aがなんでもない日にいきなりプレゼントしてくれたやつ。ほら可愛いでしょ」

『何の話？』

り「え？」

『私プレゼントなんてしてないよ？りっくん他の女の子にプレゼントされたのを間違えて私ってことにしてる？ダメじゃんもーう』

り「え？いやいや、この前くれたじゃんこれ」

『えー、そんなのあげてないよー』

り「いやくれたよ。ほんとに覚えてないの？」

『え…？私、ほんとに渡したの？』

思い出せないのか？
Aは思い出せないことに自分自身で驚いて動揺しているみたいだ。

やばい。気付いちゃう。
そう思った俺は咄嗟に嘘をついた。

り「うっそー。ほんとはこれ友達にもらったの」

『だよねえ？私そんなの買うかなあって思ったの！随分奇抜なデザインだし。私も今度眼鏡買ってあげようか？今の気分はそうだな…シンプルなやつ』

り「…ええ？嬉しいなあ。でももうもらっちゃったしまた間空いてからでいいよ」

もししばらくしてAがシンプルな眼鏡を繰り返し俺に買ってきたら、俺の心はもたない。

『それもそうだね』

り「うん」

『しばらくはずっとそれつけるの？』

り「そうだよ」

『めっちゃ目立つじゃん笑』

り「大事だから」

自分でも驚くほど静かに、そう言っていた。

り「この眼鏡が今までで一番大事なんだ」

『そっか。それは大事にしないと』

り「でしょ？この眼鏡だけは死ぬまでずっと持ってるって決めたの」

『相当大切なんだね』

り「大切な人にもらったんだ。その人、なんでもない日にこの眼鏡プレゼントしてくれたんだ。それが嬉しくて。嬉しくて嬉しくて、この眼鏡もその人のこともずっと…大事にしようって、決めたんだ」

『りっくん？どうしたの？』

り「え？」

『なんで、泣いてるの？』

り「嘘、泣いてた？ごめんごめん」

急いで涙を拭ってAのもとを離れる。
言わなきゃ。みんなにも、Aにも。
Aにはきっと何かがある。だけど本人はそれに気付けないしみんなも気付いてない。

でも、言えない。
言わなきゃとは思っていても何もわからないAを病院に連れて行くのも酷だ。

だけど、悩んでばかりいても変わらない、