何度だって告白を (ページ39)

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【リクヲ】

『ねえー！みんな！』

なんかまた呼ばれた。
みんな面倒くさいって顔しながらも楽しそうに声がした方に集まる。
するとどこかで見た光景。みっくんがAに捕まってる。

り「今日は何？」

『見てよみっくんの髪型！ちょー可愛い！』

そ「…は？」

そらの低い声。気持ちはわかるけど今のは絶対良くなかった。

『いや何。なんで怒んの？』

そ「…いや、それだけかよ！って話だわ！」

ほんの一瞬、悪くなりかけた空気が変わった。そらが空気を読んでくれてよかった。

『ねえすごい似合ってるよね？やっぱ私明るい髪色推しだわ』

り「俺もー」

するとさっきから神妙な面持ちのえいちゃんが口を開いた。やばいことになる気がしたけど、止められなかった。

え「昨日もしたよねこのやりとり」

『してないよ？だってみっくん昨日まで髪色暗かったもんね』

み「…いや、美容院行ったの昨日だよ。昨日もAに明るい色のマッシュが好きって言われた」

『嘘だ』

ああ、また思い出せないんだ。記憶を辿って必死に昨日のことを思い出そうとしてる。だけどやっぱりダメみたいだ。泣きそうな声で尋ねる。

『ドッキリ？』

え「違うよ」

『じゃあ私、もしかしてまた…？』

そ「またあったこと忘れちゃったのかもな」

『昨日のこと？』

り「昨日、何したか覚えてる？」

『昨日は…あれは覚えてる。えいちゃんがかっこよく決めたやつ。可愛いって』

え「それ忘れてほしかったな」

『印象が強すぎたのかも。もしかしてその前にみっくんの髪型のこと話したの？』

つ「そう。髪色お揃いだねって話もして、その時話してるAが可愛かったから可愛いって言ったら、俺はいつもAに可愛いって言うけどえいちゃんは言わないよねって話になって、えいちゃんが言うことになったの」

『なんとなく、思い出せるような…』

つ「ほんと？」

『しっかりは思い出せないけどちょっとだけ」

つ「そうそう、これが昨日撮った写真」

みっくんがスマホを取り出して昨日の写真をAに見せる。最高の笑顔でみっくんを見つめている写真だ。

『あ…わかるかもしれない。ほんとうっすらなんだけど、昨日の風景は思い出せるかも』

り「ほんと？」

少し希望は見えた。Aの記憶に関して何か問題があることには変わりないかもしれないけど、それでもこうして少しでも思い出すことができてよかった。