何度だって告白を (ページ34)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:2,587 hit

34 ページ34

【リクヲ】

雨が降った日、Aは暇を持て余してついにお絵描きを始めた。

『雨降ってるし暇だし、これは絵を描くしかないってことかもしれないよね』

とか言って紙とペンを持ってくるAは本当に自分たちと同い年なのか。幼すぎる。可愛い。

『見てよりっくん』

り「なんか書いたの？」

『じゃん。アバハウスの住人～』

り「おっ。相変わらず絵上手いなあ」

白い紙に五人の全身の絵。全身って描くの難しいと思うんだけど、昔から絵のセンスがあったAはバランスよく全員が並んだ絵を描き上げた。

り「びっくりするくらい似てる」

『特にりっくんお気に入り』

り「すごい好きだよこの絵」

『みんな美化されてるけどね笑』

り「いやでもだいぶ本物と近くない？」

『ならいいんだけど』

り「流石毎日みんなのこと見てるだけあるよね。立ち方まで似てるんじゃないかと思えてくる」

『実はこだわってんの』

り「やっぱり！？そこも似てる要素なんだよねー」

Aとこうして平和トークをしている時間が幸せだ。四人の中で一番ほのぼのした会話をしている自信がある。

り「今度何かにこの絵プリントして自分たちだけのグッズ的なの作れないかな？」

『私の絵なら好きなだけ使いなよ。でも私が入ってたらグッズにできないからまた描き直そうか？』

り「え？違うよAも一緒にプリントするんだよ。自分たちだけのっていうのはアバとAが五人で持つための世界に五個だけのグッズって意味」

そう言うと、Aは目をキラキラさせて俺の肩を掴んだ。

『最高！』

びっくりして固まっているとさらに喋る。

『嬉しい！世界に五個だけのグッズかあ。私もみんなの輪に入れるんだね』

ああ、もしかしたら自分だけグループに入ってないことが嫌だったりしたのかなと思って、申し訳なくなった。だけどAはそうは言わなかった。

『アバンティーズは四人。私たちは五人じゃん。五人の証も欲しかったんだ、実は』

それからちょっと恥ずかしいからりっくんが勝手に作ったってことにしといてよなんて言い始めて、自分勝手だなあとおかしくなった。

グッズができたら一番に見せよう。
きっと誰よりも喜んでくれるはずだから。