何度だって告白を (ページ31)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:2,579 hit

31 ページ31

【そら】

そ「ごめんねえ？ついてきちゃって」

え「ほんとだよ」

そ「なんでついてきたかわかる？」

え「どうせさっきのだろ」

そ「まあね」

足音だけが鳴る。
そらが何を言い出すかはわかっているつもりだった。

そ「いいんだよ。付き合っても」

え「は！？」

そ「え？何そういう話じゃないの？」

なんでそらは俺とAがお互いのことを好きだと思ってるのかわからない。だけどそらはまるでそれが当たり前かのように言ってきた。

え「誰も好きって言ってねえじゃん…」

そ「あー、Aは確かに何考えてるかわかんないよね。でも少なくともえいちゃんはAのこと好きでしょ？違うの？」

え「好きじゃない」

そ「えー」

わかりやすく口を尖らせて言う。勝手に人の気持ちを判断しないでほしい。

そ「じゃあなんでみっくんに嫉妬してんの？」

え「それはだって、みっくん個人的に指輪とかあげちゃったら他の人もう指輪あげれないし」

そ「意味わからん。なんで正直になんないの？」

そらはコンビニに向かっていた足をわざわざ止めて俺に問いかける。急に止まったせいで少し先に進んでから振り向く。

え「正直も何も、好きじゃないって言ってるじゃん」

そ「ほんとのほんとにそういうことならいいけど」

え「ほんとだよ」

そ「でも俺知ってるから。Aを黙らせるためにほっぺたぎゅってする時Aのこと愛おしい目で見るのも、みんなみたいにAに簡単に好きって言えないことも」

え「なんで…」

そ「もう一回聞く。えいちゃん、Aのこと好き？」

改めて聞かれると自分の気持ちがますますわからなくなる。
これを恋と呼ぶべきなのか、それとも友達に対する単なる独占欲なのか。

え「わかんない」

そ「わかんないって…」

え「でもほんとにわかんないんだよ」

そ「…しょうがないなあ。好きになったら言えよ？その時は恋愛禁止のルールどうにかしよう」

え「いやダメだろ」

そ「気持ちっていうのはしょうがないもんなの！黙って頼れよ」

さっきから俺がAのことを好きな前提で話が進んでる気がするが。
そうなのかな。

確かに最近Aを同性だと思うことはできなくなってる。それは事実。でもだからって好きとかそういうことではないかもしれないし。

え「あーもうわかんない！」

そ「不器用な奴だなあ」