何度だって告白を (ページ4)

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【そら】

今日Aを呼び出したのには訳があって、今からそれを話すんだけどちょっとだけ緊張する。
あ、別に告白とかではない。
俺たちは恋愛禁止だから。

『二人で居酒屋とか何年ぶり？』

そ「何年ぶりかなあ」

『なんか色々おいしそうだけどどれ頼む？』

そ「うーん」

『…ねえ、話聞いてよ』

そ「うわ！ごめん！」

『なんか話でもあるんでしょ？言いなよ早く』

なんでも受け入れるとでも思っていそうな表情でどんと構えるA。

そ「いやー別に、大した話ではないんだけどさ」

『大した話なんでしょ。じゃないとそんなに緊張しないよ』

そ「うーん、まあ単純に言うと、Aはこの生活にうんざりしてないかなって」

『…はい？』

そ「男四人と一緒に住むわけだし、仕事するために毎日家から出てるわけでもないし、自動的に出会いがなくて彼氏もできないじゃん？だから俺たちの生活に縛りつけたままでいいのかなって、思うんだよね」

『…ほんとに大した話じゃないじゃん』

そ「えー？そうかな」

『うんざりしてたらとっくの昔にやめてるよ。私こう見えて四人のこと大好きなんだよねー』

へらへらしてなかったらいいこと言ってるのに勿体ないなあ。と思っているとAはふと真剣な顔になって言った。

『私、もし四人とずっと一緒にいられるならこれ以上何も望まない。彼氏もいらないし結婚もしなくていい。それぐらい好きだよ』

無自覚に人を寄せ付ける雰囲気はこういうところにあるんだ。Aは自分が気付いてないだけで、可愛くて優しくて芯があって強い。
俺たちには勿体ないような人だ。

そ「告白、されたわ」

『したわ』

お互い目を見て笑う。
Aがもしここにいなければ、今頃沢山の人に出会って恋をして、いろんな経験を積んでいるだろう。

A自身それはわかっているはずだ。

なのにアバンティーズと人生を歩むことを決めてくれた。本来得るはずだった経験が出来なくてもいいと、決意を固めてくれている。

そ「安心したわ」

『私が生半可な気持ちでここにいるなんて思ってもらっちゃ困ります』

そ「彼氏いらないって言うけど、アバンティーズのうちの誰かのこと好きになる可能性もゼロ？」

『それは禁止だからね。約束は守るよ』

恋愛禁止とは言えど、気持ちには逆らえないことはあるのに。
決めたことは最後までやり遂げるAしかこんなことは言えないだろう。