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【A】
つ「今日はAに個人的にプレゼントがあります」
『え?急だね』
つ「なんだと思う?もし当てたら…あげる」
『え、当てないともらえないシステム?笑』
つ「嘘なんでもない!今のは聞かなかったことにして、じゃーん。指輪です」
『指輪…』
みっくんは、女性に指輪を渡すことの意味をわかっているのだろうか。そしてこれはどこに付けるのだろうか。
中から出てきた光る銀色の輪っかは、見てるだけで満たされる幸せな光沢を放つ。
『プレゼントに対してこんなこと聞くのも野暮かなって思うんだけど、高くなかった?』
つ「全然。値段なんてどうでもいいから、Aに付けててほしい」
『またなんでこんな急に?』
つ「Aがこれをずっと付けてたら、俺のこと忘れないかなって思って」
『そんなことしなくても、忘れないよ』
つ「わかってるけど」
みっくんの顔を見てたらわかる。私がまた何かを忘れるんじゃないかと不安なんだ。
不安で仕方ないのは私も一緒だ。だって忘れたことを覚えてないんだから。自分の異変に自分で気付けないんだから。
つ「渡す理由はそれだけじゃないよ。可愛かったから買ってきた。Aに似合いそうだなって」
『うん』
つ「ほんとだよ?」
『わかってるよ。どこに付けるの?』
つ「どこでも。合うところで」
『左手薬指とか?』
つ「既婚者だと思われるよ?」
『変なの寄ってこなくていいんじゃない?』
つ「でも、もし結婚した時のために左手薬指は取っとこ。右手は?」
『確かに』
はめてみるとぴったりだった。私には勿体ないくらいの綺麗な指輪。
『みっくん』
つ「ん?」
『指輪を渡す意味って知ってる?』
つ「知らない。好きなら渡すもんじゃないの?」
『正解は、こいつは俺の物だって言いたい独占欲』
つ「おっと」
『ありがと。みっくんに独占されてまーす』
つ「まあ間違いではないよね。独占はしてる」
『もはやみんなに独占されてるよね』
つ「そう。だからそれはアバからの圧ってことで」
『うわーもう、絶対忘れられないね』
つ「忘れちゃダメだよ!」
『大丈夫忘れない。そらも言ってたんだ。Aは簡単にみんなのこと忘れられないって』
つ「それ多分正解だよ」
『絶対そうだよね』
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tokita(プロフ) - 続き楽しみにしています! (2021年3月12日 1時) (レス) id: 4df3902f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2021年3月9日 0時