何度だって告白を (ページ27)

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【リクヲ】

り「Aのことなんだけどさ、やっぱ最近色々とおかしくない？」

つ「物忘れが多いことくらいしかわかんないけど」

り「それだよそれ。最近ちょっとひどすぎると思うんだけど」

つ「確かに俺が違和感感じるってことは相当忘れっぽくなってるのかな？」

り「多分そう」

つ「怖い夢見て俺のところに来たことも、夢の内容も覚えてないって言ってた」

り「スーパーに行きたかったのに何しに外に出たのかわからなくなるし」

つ「しかも覚えてないことを隠そうとするよね。もしくはそんなこと起こってないって自分に言い聞かせたりする」

り「そうだよね。共感できる」

つ「なんであんなに忘れっぽいんだろ。変なの」

もし、Aが忘れっぽいだけじゃないとしたら？

り「忘れっぽいってだけなのかな」

つ「…他になんかあるの？」

り「最悪、病気とかさ」

つ「Aに限ってそんなこと」

り「わかんないじゃん」

みっくんに向かってこんなこと言うのも間違ってるかもしれないけど、どこかに吐き出す場所が欲しかったのかもしれない。

り「わかんないよ。いつ誰に起こっても不思議じゃないよ。きっと」

つ「そんな…」

しばらく黙った後、みっくんはゆっくりこう言った。

つ「でもAにこのことを伝える勇気は、きっと誰にもない」

そこなんだよな。こうして気付くことができたのはよかったけど、この先どうすればいいのか、どうするのが正解なのかは全くわからない。
無理矢理病院に連れて行って不安な思いをさせたくないし、だからといってずっと放置するのもダメだ。

り「みんな多分気付いてるから、どうするか話し合ってAにとって最善の策を考えよう」

つ「ねえりっくん」

り「ん？」

つ「ダメだ、俺の方が受け入れられない」

そう言って頭を抱える。
そんなのみんなそうだよ、と簡単に言ってしまいそうになってからやめる。
みっくんの目に薄く涙が浮かんでいたから。

つ「不安だよ…」

り「うん…」

背中を撫でて落ち着ける。俺も本当はみんなを気遣う余裕なんて持ってない。だけど気付いてしまったから。この異変をみんなに伝えるのは俺の役目だと思う。