CHAPTER ６ー３ ページ33
なんでかよく分からないけど、女の子は頬をほんのりと赤く染め上げ、酷く緊張した様子。名前を聞くのにそんなに緊張するのかな、と不思議に思いながらも私は女の子に向かって笑顔で頷き、自分の名前を教える。
「つい最近この辺に引っ越して来ました。AAです。あ、今は小5です」
「え、ヒナの一つ歳下だ……！大人っぽいから絶対に歳上だと思った……」
「……名前、ヒナさんって言うんですか？」
女の子の一人称がヒナだったので、名前もそうなのかなと思ってそう問いかけると、女の子は首を横に振る。
「ヒナ…あ、私！＿＿＿＿“橘日向”です！」
「……え？」
❃
「俺は姉さんを救いたいんだ……！」
「ヒナを、マイキー君を救うために……Aちゃんにも手伝って欲しいんだ！」
❃
彼女の名前を聞いたその瞬間＿＿タイムリープをするキッカケとなった彼らの言葉が、脳裏でフラッシュバックした。
橘日向……花垣さんがタイムリープをするキッカケとなった人物。同級生である直人君のお姉さん。私は橘日向を見たことが無かった。だから今、私の目の前でモジモジと俯きながら忙しなく手を弄っている彼女が橘日向だなんて思いもしなかった。
「(この人が、花垣さんの恋人)」
そして未来で何度も“稀咲鉄太”に殺された人。私と花垣さんがタイムリープしたのは、万次郎と橘日向の未来を変える為。
その花垣さんはいつになったら現れるの？
「Aちゃん？」
「あっ、ごめんなさい！えっと……日向さんは」
「ヒナ！呼び方、ヒナで良いから……！」
「え？分かりました……ヒナさんは、知り合いに“花垣武道”さんって人はいますか？」
こうなったらもう強行手段をとるしかない。ヒナさんから直接、花垣さんの情報を得るしかない。そう考えていたのに、ヒナさんから返ってきた言葉はまさかの「いないよ？」という言葉。マジで？と口に出してしまいそうになる。勝手に二人は昔からの付き合いだと思っていたから、ヒナさんに聞けば花垣さんがどこにいるのか分かると思ったのに……！
……花垣さんが、見つからない。
せっかく見つけられると思ったのに、また彼の存在が遠くなるのを感じた。
「(……でも中学は花垣さんとヒナさんは同じだったんだよね？)」
つまり彼らが接触するのは約一年後。それまで私がヒナさんを守らないと。花垣さんに会ったら絶対文句言ってやるんだから！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しらす(｡∀゜)(プロフ) - えっっっぐい程面白いです！！！てか最初の赤音さんの救出で既にどハマりしました！！！好きです！！！大好きです！！！多分これから1週間位ずっと読んで読んで読みまくると思います！！！えマジで神作すぎて！！！大好きです！！応援してます！！！！ (2021年8月26日 16時) (
レス) id: 0ada0a2373 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - まさん» 初めまして！！タイトルに関してはかなり悩んだのでそう言って貰えて光栄です！！！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！秀逸なタイトル回収にゾクゾクした勢いでコメント書かせてもらっています！続きが楽しみです。応援しています。 (2021年8月16日 19時) (レス) id: 462628ff0d (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - アンズさん» そのように言って頂けるなんて光栄です！！！(；ω；) (2021年7月31日 16時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - 夢文化が廃れてくなかでこんな神作に出会えるとは…… (2021年7月31日 8時) (レス) id: af5bfd0de9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
