CHAPTER １ー４ ページ4
「え、お、お母さん……？」
「だからいつもいつも言ってるじゃない！お菓子を食べるなら床に零さないように＿＿って、どうしたの急にそんな泣きそうな顔しちゃって……」
＿＿どうして小6の時に亡くなったはずのお母さんがいるんだろう。
目の前にとても大きな謎があったのに、何十年ぶりに見ることが出来たお母さんの姿に、私は目頭が熱くなっていく。小さい頃はよくお母さんに怒られていた。外に遊びに行けば服を汚して帰ってきたし、家の中に居てもお菓子を食べれば床を汚していたから。怒られるのなんて大嫌いだったけど、本当に辛いのは怒ってくれる人がいなくなることで。
今にも泣き出してしまいそうな私を見て、お母さんは狼狽える。昔の私はお母さんに叱られても、全く気にしない子だったから、いつものように叱ったらこんな風に泣きそうになるなんて思いもしていなかっただろう。
ずっと、お母さんに会いたくてしょうがなかった気持ちが一気に溢れ出し、気づけば私は小さな子供のように泣きじゃくりながらお母さんに抱き着いていた。そんな私を、お母さんは「えぇ…？」と困惑した声をあげながら、優しく背中をさすってあやしてくれた。これから先、一生この生活が続いていけば良いのに。
❃
さっきは久しぶりにお母さんに会えたお陰であんな風に取り乱してしまったけどようやく落ち着いた。自分の部屋に駆け込み、状況の整理をする。
まず花垣さんとのタイムリープは成功したとみて間違いない。それは良いのだけれど、花垣さんと直人君の話ではタイムリープするのは12年前の世界だと聞いていた。だけど本来であれば、私の12年前である中1の頃には既に母親は亡くなっている。それなのにお母さんは生きていた。
過去を変えれば未来が変わるのは分かるけど、まだ何も変えていない過去が本来の姿からこんなにも違うのは明らかにおかしい。
全く状況が分からない。せめて花垣さんが居てくれれば相談できたのに、この頃の私は花垣さんとの接点が全くと言っていいほどにない。どうやって過去の世界でコンタクトをとるのか話し合っておけば良かった……。
妙に胸騒ぎがするせいで、中々落ち着くことができず、部屋の中をうろうろと徘徊する。するとそのとき、部屋に立て掛けてあった姿見に、自分の姿が映った。
「……ん？」
＿＿中1とは思えない小柄な姿。保育園児のような小さな手。肩に付くくらいの短かめの髪。
その姿は明らかに中1の時の私の姿では無かった。
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しらす(｡∀゜)(プロフ) - えっっっぐい程面白いです！！！てか最初の赤音さんの救出で既にどハマりしました！！！好きです！！！大好きです！！！多分これから1週間位ずっと読んで読んで読みまくると思います！！！えマジで神作すぎて！！！大好きです！！応援してます！！！！ (2021年8月26日 16時) (
レス) id: 0ada0a2373 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - まさん» 初めまして！！タイトルに関してはかなり悩んだのでそう言って貰えて光栄です！！！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！秀逸なタイトル回収にゾクゾクした勢いでコメント書かせてもらっています！続きが楽しみです。応援しています。 (2021年8月16日 19時) (レス) id: 462628ff0d (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - アンズさん» そのように言って頂けるなんて光栄です！！！(；ω；) (2021年7月31日 16時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - 夢文化が廃れてくなかでこんな神作に出会えるとは…… (2021年7月31日 8時) (レス) id: af5bfd0de9 (このIDを非表示/違反報告)
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