CHAPTER ２ー６ ページ13
「オレ、お前の口からちゃんと挨拶されてない。オレの方が歳上なんだから、お前からしろよ」
「えっ」
「おい万次郎！」
随分と高圧的な態度で迫ってくる万次郎に、真一郎さんが叱るように声を荒らげるが、万次郎は全く聞く素振りを見せず、私のことだけを真っ直ぐ見据えていた。その様子から何を言っても無駄だと判断した真一郎さんは、はぁ……と深いため息をつき、両手を合わせて「ごめんな」と口パクで謝ってくる。真一郎さんが謝ることじゃない。……そもそも、万次郎の言ってることも少なからず正しいから。
こうなってしまったのも元々、天上天下唯我独尊を体で表したかのような男である万次郎の前で、こんな態度をとってしまった私の落ち度。
万次郎を前にして、震えてしまいそうな声。何とか平然を装いたかったのだけれど、もしかしたら多少声は震えてしまったかもしれない。
「AA、です。よろしくお願いします」
「Aな。しょうがねえから今日からお前はオレのダチ。分かった？」
「ハイ……」
「オレは万次郎。マイキーって呼べ」
小さい頃の万次郎は未来の万次郎よりもかなり強引な性格だということが分かった。未来の万次郎も中々自己中な性格をしていたけど、こっちの万次郎の方がだいぶやりづらい。引き攣りそうな頬を何とか抑え、私はぎこちない笑みを浮かべた。すると万次郎は満足気にフンっと鼻を鳴らして私の頭を乱雑に撫で回す。真一郎さんとは真逆の手つきで、髪の毛がぐちゃぐちゃになってしまった。
それを見た真一郎さんが呆れたように「万次郎……お前……」とガクリと肩を落とした。一方、万次郎は自分の言うことをすんなり聞き、髪の毛をぐちゃぐちゃにしても怒る素振りをみせない私に気分を良くしたようで、まるで新しい玩具が手に入ったかのような嬉しそうな表情を浮かべて私を見ている。もしかしたら、一応ダチとは言いつつも本当は下僕か何かに思われているのかもしれない。
……てか、私これから万次郎のことマイキーって呼ばないとなの？
「Aお前、ひょろひょろすぎ。腕とかこんな細っこい」
万次郎にガシっと二の腕の部分を捕まれ、ビクッと体をビクつかせると、万次郎はその反応に驚いたのか、パッと腕から手を離した。そして自分の手と私の手を見比べると、なんだかむず痒そうに口をもごもごとさせる。
「……万次郎、分かったか？ちゃんと優しくするんだぞ」
「……うん」
真一郎さんの言葉に、万次郎が小さく頷いた。
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しらす(｡∀゜)(プロフ) - えっっっぐい程面白いです！！！てか最初の赤音さんの救出で既にどハマりしました！！！好きです！！！大好きです！！！多分これから1週間位ずっと読んで読んで読みまくると思います！！！えマジで神作すぎて！！！大好きです！！応援してます！！！！ (2021年8月26日 16時) (
レス) id: 0ada0a2373 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - まさん» 初めまして！！タイトルに関してはかなり悩んだのでそう言って貰えて光栄です！！！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！秀逸なタイトル回収にゾクゾクした勢いでコメント書かせてもらっています！続きが楽しみです。応援しています。 (2021年8月16日 19時) (レス) id: 462628ff0d (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - アンズさん» そのように言って頂けるなんて光栄です！！！(；ω；) (2021年7月31日 16時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - 夢文化が廃れてくなかでこんな神作に出会えるとは…… (2021年7月31日 8時) (レス) id: af5bfd0de9 (このIDを非表示/違反報告)
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