ep.18-4希望に溢れた未来へ。 ページ50
チャンピオンカップの行われるスタジアムの表では、つい先日発覚したAとキバナの関係についての号外が配られていた。
あの日のAの返事は、YES。
号外には載っていなかったが、その場で嬉しさのあまりキバナがAにキスをしたのは記憶に新しい。
よくあの場面を撮られなかったものだと、Aは奇跡に感謝していた。
「今回、ホップが2年ぶりにチャンピオンカップに参加してるぜ」
「セミファイナルは堂々の優勝だったっけ？ほんと、相変わらず強いなぁ」
選手控え室にいるのは、各ジムリーダーにA、そしてホップ。
つい先程までAとキバナは号外についてルリナとマリィ、そしてホップに追求されまくっていたが、もうすぐ試合が始まるということで一時解放されていた。
だが、この大会が終わったらまた囲まれるだろうことは想像に容易い。
「さてと、気を引き締めなきゃね」
パン、と自分の頬を軽く叩くAは、先程までの恥ずかしがりっぷりはどこへやら、チャンピオンの目に変わっていた。
そんなAを横目で見ているキバナは、一人笑っていた。
ーーやっぱ、好きだわ。
勝負の関係ない時の、女性らしく可愛いA。
そしてーーチャンピオンとしての、A。
「俺様、お前に骨抜きにされてるわ」
「…？なんの話？」
呟いたキバナの言葉に、不思議そうにキバナを見上げるA。
不謹慎とはわかっているが、そんなAの額に軽く口付けを落とせば、さっきまでのチャンピオンの顔はどこへやら、Aの顔が一気に赤くなった。
「キ、キバナ、みんないるから…！」
慌てたように立ち上がるAに、キバナは吹き出すように笑い出す。
やっぱり女の子だな、とまたもや不謹慎なことを思いながら、キバナは立ち上がった。
「…んじゃ、俺様の試合、しっかり見とけよ」
1試合目から、キバナはホップと対戦が組まれていた。
ジムチャレンジでは敗退したが、今回はAの為にも負けられない。
さあ行こうと歩みを進めようとAに背を向ければ、パーカーの裾がクンッと引っ張られた。
「…決勝で、待ってるからね」
他のジムリーダーには聞こえないような、小さなその声に、キバナは口角が上がるのを感じた。
「あぁ、待ってろよ、A」
愛しい彼女の言葉に応えるように、キバナはスタジアムへと進んでいく。
Aとキバナの新しい世界が、今開かれようとしていたーー。
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真希(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございます、よくよく見てたら１箇所完全に誤字してましたね…； 他の箇所は恐らく大丈夫かと思いますので…教えていただきありがとうございました！ (2019年12月27日 19時) (
レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - アラベスクタウンのジムリーダーはポプリさんではなくポプラさんですよ…(小声) (2019年12月27日 15時) (レス) id: 99879ec7c1 (このIDを非表示/違反報告)
真希(プロフ) - 山葵さん» こちらにまでコメントいただいてめちゃくちゃ嬉しいです…！(；▽；) 頑張って書き上げますので、もう暫くお付き合いいただけると嬉しいです！ (2019年12月18日 2時) (レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
山葵(プロフ) - 真希さんの書くキバナさん、ほんとに好きです…！！！！頑張って下さい！！！ (2019年12月17日 23時) (レス) id: 40ec5f6136 (このIDを非表示/違反報告)
真希(プロフ) - ハイサネさん» コメントありがとうございました！バトル風景書いたの初めてだったので、きちんと伝わっててほっとしてます…！応援もありがとうございます、とっても励みになります！ (2019年12月17日 19時) (レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真希 | 作成日時：2019年12月6日 2時
